１９３８年、冬のニューヨーク。貧しい画家エブン・アダムスは、セントラル・パークでジェニーという少女に出合い、彼女の肖像画を描くことになる。ジェニーの肖像画のデッサンは画商に絶賛され、アダムズは画家として注目されるようになる。後日、エブンは、ジェニーと再会するが、彼女は少女から思春期の女性に成長していた・・・。

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　１９４７年アメリカ作品。監督は、ウィリアム・ディターレ、出演はジェニファー・ジョーンズ、ジョゼフ・コットンなど。売れない画家の時空を超えた恋愛を描いたラブファンタジー作品。

　１９４０年代の作品なので、モノクロ映像で古めかしい映画ですが、時代を超えて愛される普遍的な魅力のある作品です。多分、このホームページで紹介する作品の中でも一番古い作品だと思いますが、クラッシック作品の名作の中でも、最も感動と癒し、そして啓発を与えてくれる名作だと思います。時空を超えて愛で結ばれるカップルを描いた作品は他にもありますが、この作品では、時間とは何か？愛とは？永遠とは？というテーマが強く印象に残る作品で、男女の恋愛をドラマティックに描いた感動作というレベルの作品ではなく、人間の生や愛、そして時間と空間についての真理に触れる事のできるような作品です。不朽の名作文学を読み終わった後にいつまでも残るような感動を味わえる作品で、最近の娯楽作品には無い啓発的なセリフが多く、不朽の名作と呼ぶにふさわしい名作だと思います。

　この作品の主人公は、売れない画家ですが、自分の才能に自信が持てず貧乏暮らしをしている為にふて腐れたような態度をしています。画商のミス･スピニーに『印象を悪くすると絵も売れないわよ』とたしなめられたり、『絵に愛情が感じられない』と酷評されます。才能を認められない芸術家を描いた作品としても興味深いですが、ミス･スピニーのアドバイスには、人間として、芸術家としてのあるべき姿に導いてくれる真理が感じられます。芸術家志望の方には、参考になると思います。

すべては死ぬのではなく、ただ変わり行くのみ

時は過ぎるのではなく、巡るもの

過去と未来は我々の傍らにある、永遠に

　死んでしまったらそれで終わり、時間は一方通行で過去は過ぎ去ってしまう・・・。私たちは、合理主義に毒されて勘違いしてしまっているだけで、そんな現代の価値観、人生観は、すべて間違っているのかもしれませんね。命は変化して行き、時は巡る、過ぎ去ってしまった思っているものも、すべて私たちの傍らに生き続けている・・・、こんな風に考えれば死を恐れる必要もなくなるかもしれません。

たぶん、大切な何かを失わずにすんでる

　エブンの友人は、絵描きとしての人生に賭けているエブンを尊敬し応援しています。『人間ってのは、大抵は楽な生き方に流される。苦労はなるべく避けて通り、あぶく銭を稼いで、食って寝て、そして死ぬ』。そんな生き方も悪くはないでしょうが、何か一生を賭けてチャレンジするものがある人や、人の為に生きようとする人は、いつまでも大切な物を持ち続けるのかもしれませんね。

愛を知るまで生はなく、愛を知れば死はなくなるの

　多分、人間にとって一番不幸なのは、誰も愛さず誰にも愛されない事でしょう。真実の愛に出会えれば、それだけで人間は幸せだと思います。本物の愛を知ることができれば、魂は救われるのかもしれませんね。

ＤＶＤでも発売

　１９４０年代作品と、かなり古い作品ですが、不朽の名作として愛され続けＢＳ放送などで、いまだに放映されていますが、ＤＶＤでも発売になりました。映画のテーマと同様に時代を超えて愛され続ける魅力があるからこそでしょう。

 

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