一攫千金を狙うラベットたちのチームが、タイタニック号の引き上げ作業を行っていたが、彼の探しているのは、ブルーダイアモンド『碧洋のハート』と呼ばれる宝石だった。探索中に発見された、若い女性がモデルとなった一枚の絵がテレビに映し出されると、タイタニックに乗船していた女性ローズ・カルバートが、自分が絵のモデルであり、宝石の持ち主だと名乗りでる。タイタニック号事故の生存者であるローズは、悲劇の航海の様子や、画家志望の青年ジャックとの悲恋の物語を語り始める・・・。

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　１９９７年アメリカ作品。アカデミー賞を独占したジェームズ・キャメロン監督の超大作。主演は、この作品でスターダムにのし上がった実力派俳優レオナルド・ディカプリオと、ケイト・ウィンスレット。助演のキャシー・ベイツの存在感も映画に強いインパクトを与えています。とにかく空前の大ヒットを記録し、この作品だけで、レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットの二人は、世界的なスターとして人気者になり、出演依頼が殺到したようです。日本でも『レオ様』と呼ばれて、アイドル的な人気になりました。

　映画が大ヒットして、アカデミー賞の１１部門を受賞、若い女性を中心に熱狂的な人気のある作品ですが、金持ちのお嬢様と、貧乏人の青年の、よくありがちな恋愛作品で、まったく興味がなく、ビデオ発売されてからも、しばらくは観ませんでした。私の友人のほとんども、この作品には興味を示さず、誰も観ていなかったんですが、友人の一人が、『さすがアカデミー賞作品賞だ！一度は観ておいた方がいい！』と、熱心にすすめるので、半信半疑で観ました。で、凄く良かったですね、これは。ケイト・ウィンスレットが演じるローズには婚約者がいて、ジャックとの恋愛は、不倫的な恋愛ですが、婚約者の人間性が最悪で、とんでもない野郎なので、不倫という醜い恋愛を感じさせず、純愛物としてうまく描かれていますし、恋愛に興味のない方でも、タイタニック号のリアルな描写や、様々な人々の、死の危険にさらされた時の感情、行動が生々しく描かれているので、恋愛的な要素を抜きにしても傑作だと思います。恋愛映画に関心のない方にも、オススメできる作品です。死に直面したときの行動は、人それぞれですが、この作品で最後まで演奏を続けるミュージシャンのように、潔く死を迎えたいですね。だって、他人を犠牲にして生き延びても、残りの人生の全てを罪悪感を感じながら生きなくてはいけないんですから、最悪だと思います。

どんなカードが配られても・・・

　パーティーの席で、根無し草のような暮らしに満足しているのか？と尋ねられたジャックが、誇らしげに語るシーンが印象に残ります。悲観的な考えかもしれませんが、世の中不公平な事ばかりで、生まれついた環境が、裕福か貧乏かという違いだけでも、かなり人生に影響が出ると思います。でも、貧乏な家庭に生まれたからこそ、色々な苦労を経験し、人間的に成長できるというメリットがありますし、身体能力が低い人間が、スポーツ選手を目指すなら、他の人より努力が必要になり、よりタフな人間になることができると思います。世の中の不公平に文句を言う暇があったら、与えられた環境の中で、ベストを尽くして行く方が、人生をムダにせず、充実したものに出来るんじゃないでしょうか。個人的には、このシーンを観るだけでも、この作品は価値があると思います。

　《　検索用　》

レオナルド・ディカプリオ
ケイト・ウィンスレット
ビリー・ゼーン
キャシー・ベイツ
フランシス・フィッシャー

 

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