子供の頃からずっと仲良しの４人、自由奔放で快活なスポーツマンのブリジット、内気なお嬢様のリーナ、クールで皮肉屋のティビー、情熱的なカルメン。４人は全く違う性格だったが、いつも一緒で、苦楽を共にしてきた仲間だった。そんな４人が、１６歳の夏休みに初めて別々に夏休みを過ごすことになり、リーナは祖父母を訪ねるためギリシャへ、カルメンは母親と離婚して別れて暮らす父親のもとへ、ブリジットはサッカー合宿へ、ティビーは、地元でバイトをしながら、ドキュメンタリー映画の製作を予定していた。夏休み前に買い物に出かけた４人は、スタイルの違う４人にピッタリのジーンズを見つけ、夏休みの間、そのジーンズを交代で使おうと約束し、それぞれの目的地へ向かうのだが・・・。

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　２００５年アメリカ作品。監督は、ケン・クワピス、出演は、アンバー・タンブリン 、アメリカ・フェレーラ 、ブレイク・ライブリー、 アレクシス・ブレーデルなどフレッシュな新人が揃っています。世界中でベストセラーになった小説『トラベリング・パンツ』を元に製作された青春映画です。

　ベストセラー小説の映画化作品でも、映像化に失敗したり、本のイメージと全く違う作品になってしまってコケたりとなかなか映画でヒットする作品はありませんが、この作品は大成功だと思います。新人をキャスティングした事によって普通の高校生のフレッシュな感性がリアルに伝わってくる傑作になりました。女性の友情を描いた作品なので、女性向の作品だと思いますが、男性にも見ていただきた青春映画の傑作です。４人のの主人公は、それぞれ悩みを抱えています。家族の反対によって愛する人と会えなくなってしまうリーナ、父親に愛されていないと悩むカルメン、人一倍元気に振舞っているブリジットの孤独感、そして、ジーンズがきっかけで知り合った女の子が不治の病だと知って落ち込むティビー。それぞれの悩みは、本人が克服すべき問題ですが、４人は互いに助け合いながら問題を解決していきます。女性には、共感できる部分も多いはずなので、女性には特にオススメですが、友情をテーマにした作品としては、男性でも感動できると思います。青春映画ありがちな、ノリのいいロックをＢＧＭにしたＭＴＶ的な演出はありませんが、現実味のあるしっとりとした感動を味わうことができる作品になっています。

誰も説明できないことが起きたのよ

　スタイルの違う４人にピッタリなジーンズを見つけた事によって、何か特別な事が起こったような気持ちになる４人ですが、こんな奇蹟も、離れていても心が通じ合う強い友情を象徴しているのかもしれません。離れていて暮らしていても、魂で結ばれているような強い友情があれば、友人の苦境や危機を感じ取り、助けに行けるのかもしれません。

友達は３人いるの、代わりは要らない

　子供の頃からの友達、特に１０代で仲良くなった友達というのは、一生信頼会える友人になることが多いと思いますが、そんな友人に恵まれた安心感、満足感からか、ティビーが、こんなセリフを言う場面があります。絶対的に信頼できる友人がいることは心強いですが、もう友達はいらないと考えるのは、視野が狭くなって排他的になってしまう可能性があります。人生の中で、人との出会いほど人間を成長させてくれるものはありません。この作品の中でも、ティビーは、近所に住む女の子との出会いで大きく成長します。大切な友人との関係を保ちながら、新しい出会いにも消極的にならずに生きていければ一番いいのかもしれません。

あなたに会えた・・・

　一人だけ地元に残ったティピーは、バイト先で近所に住む女の子と知り合いになりますが、知り合ってからすぐに別れの時がやってきます。自分の人生を振り返った時に、『この人に会えただけでも幸せだった』と実感できる人間がいれば、それだけでも幸せなのかもしれません。このシーンだけでも、この作品を観る価値はあります。

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アンバー・タンブリン
アメリカ・フェレーラ
ブレイク・ライブリー
アレクシス・ブレーデル

 

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