1998年アメリカ作品。監督は続編『ボルサリーノ2』も担当しているジャック・ドレー、出演は『冒険者たち』のアラン・ドロン、『勝手にしやがれ』のジャン・ポール・ベルモントなど。1930年代のフランスで、堅い友情で結ばれた二人の男がマフィアの世界で成り上がっていく姿を描いたギャング映画。
1970年代のマフィア映画の傑作と言えば、真っ先に『ゴッドファーザー』が思い浮かびますが、フランス映画にも、こんなマフィアを描いた傑作があります。当時フランスを代表する俳優だったアラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモントが共演、アラン・ドロン自ら製作にも参加した意欲作で、フランス映画史に残る名作として知られています。主演の二人のそれぞれの個性を生かしたキャラクターが魅力的な作品で、アラン・ドロンのスタイリッシュで野心家という人間性と、ジャン・ポール・ベルモントの陽気で楽天的な性格が対照的ですが、全く違う性格の二人が、兄弟のような強い信頼で結ばれて活躍する姿は痛快で、マフィア映画の醍醐味である銃撃戦は、今観ても迫力があり、フランスらしいオシャレなユーモアとバイオレンスの迫力、主演の二人の魅力も十分に楽しめるゴージャスな作品です。マフィアという闇の社会を描いた作品なので、終始明るい気分になれるというわけではありませんが、軽快なピアノによる音楽は気分を高揚させてくれますし、主役の二人の恋人役の女優も美人揃いで娯楽性も申し分ありません。1930年代という古い時代が舞台になっていますが、フランス映画らしいオシャレなファッションも見所の一つでしょう。間違いなくフランス映画史に残る傑作ですが、契約の問題なのかDVDは未発売です。アラン・ドロン、ジャン・ポール・ベルモントのファンには絶対にオススメです。
女は危ないものさ
決して女性を非難するわけではありませんが、男の場合、一人の女性を本気で愛してしまうと、その女性が原因で仕事がうまく行かなくなってしまう場合があります。この作品でも、マフィアのボスに対抗するのを嫌がっていたカペラが、女性をめぐってのトラブルで危険な仕事をする決意をします。場合によっては、女性は本当に危険な存在になってしまいます。
とめどがない
何かを手に入れると、また次が欲しくなり、地位を手に入れても、もっと上の地位が欲しくなる・・・。男の悲しい性なのか、欲望にはきりがありません。次々に富や地位を手に入れても、実は失っているものも多いのかもしれませんね。