2006年日本作品。監督は『悪人』の李相日、出演は、『沈まぬ太陽』の松雪泰子、『Love
Letter』の豊川悦司、『百万円と苦虫女』の蒼井優、『春との旅』の徳永えりなど。福島県いわき市にある『常磐ハワイアンセンター』の誕生までの実話を基にした感動のドラマ。
第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した名作。松雪泰子、豊川悦司、蒼井優、山崎静代、岸部一徳、富司純子、徳永えりなど豪華な出演者ですが、公開当初はプロモーションも地味で大ヒットを期待されていた作品ではありませんでした。ですが、口コミで人気となり、第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ、第80回キネマ旬報ベストテン邦画1位、第31回報知映画賞の最優秀作品賞、第49回ブルーリボン賞の作品賞など、多くの賞を受賞しロングランヒットしました。出演者の個性、演技力がストーリーの魅力を最大限に引き出し、映画の舞台となる福島県の皆さんの全面的な協力により、人情味のある人間ドラマに仕上がっています。一言で言えば人間ドラマの作品ですが、母と娘、兄妹、師匠と生徒など様々な人と人のつながりを描き、時代背景を昭和40年代、舞台が福島県という事もあり、現代劇ではあり得ない人情味のあるドラマがリアルに伝わり、とにかく泣ける作品です。エンターテイメントとしての見所は、オーディションによって選ばれたフラガールたちのフラダンスのシーンです。松雪泰子さん、蒼井優さんのダンスシーンも本当に見事。誰にでもオススメできる感動の名作です。
フラダンスの先生として東京からやって来る平山まどかを演じるのは松雪泰子、美人でプライドが高くプロ意識の強いクールな女性というキャラクターにピッタリ。フラダンサーを目指す地元いわきの少女を演じる蒼井優、徳永えりの二人は純朴な田舎の少女というキャラクターを魅力的に演じています。そして、南海キャンディーズのしずちゃん、山崎静代の強烈な個性は本当にインパクトがあり、重要な役になっています。主演の松雪泰子さん、蒼井優さんの演技力によって最高の感動作になっているのは間違いありませんが、蒼井優さんが演じる紀美子の親友を演じる徳永えりさんの名演が特に印象的です。ストーリーの都合上、本編には徳永えりさんのダンスシーンは収録されていませんが、メモリアルBOXとして発売されているDVDには、特別に徳永えりさんがフラダンスを踊るシーンが収録されています。演技もずば抜けていますが、ダンスも凄いです。徳永えりさんのファンなら、メモリアルBOXは要チェックです。
私は福島に住んでいるので、この作品には特別な想いがあります。私は生まれは福島ではありませんが、勤勉で礼儀正しく、情が深い親切な人が多い福島が大好きで、福島から離れられなくなりました。私だけでなく、よそからやって来て福島に定住している人も大勢知っています。この作品で描かれているような純粋で情に厚い人が本当に多いので、ちょっと大げさかもしれませんが、私にとっては、福島は地上のパラダイスのような場所です。今でも善良な人の多い福島には、この作品で描かれているような人情が残っています。多分、この作品に出演して福島に来た出演者や、スタッフの方も福島県の人々に対して好感を持っていると思いますし、福島県の良さを紹介してくれた作品としても大好きな作品です。こんなに素晴らしい場所なのに、311大地震と原発事故によって福島県の人々は大きな試練に遭っています。この作品の出演者である松雪泰子、蒼井優、富司純子、山崎静代らが1000万円の義援金をいわき市に送ってくれたそうです。出演者の善意に感謝、感謝ですが、なぜこんなに善良な人たちが酷い目に遭うのか?福島県の人々の善良さを知っている私としては納得がいかないのですが、答えを聖書の中に見つけました。詩篇34:19『義なる者の遭う災いは多い』。考えてみれば、善良な人に限って酷い目に遭っているような気がします。でもきっと、この試練が報われる時が来るんだと思います。
女は強えな
夫を亡くし女手一つで子供を育ててきた紀美子の母、家を飛び出してダンサーを目指す紀美子、ダンスの教師をしながら借金を返す平山まどか先生などなど、この作品に出てくる女性はみんな強い!本当に男よりも女の方が強いのかもしれませんね。
ずっと磐城にいだらいいべさ
追い出されてばかりで居場所の無いまどか先生に、紀美子が語りかけます。映画の中の話だけでなく、『ずっと福島に居ればいい!』、福島の人にこんな優しい言葉をかけられて、福島に住んでいる人も大勢いるんですよ。私もその一人です。