パンクロックのムーブメントを起こした伝説的なバンドとして知られるセックス・ピストルズ。世界中で大反響を巻き起こした偉大なバンドは、実はマルコム・マクラレンというマネージャーの策略によって作り上げられた虚像だった・・・。

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　１９７９年イギリス作品。監督はジュリアン・テンプル、出演は、イギリスのロックバンド、セックス・ピストルズのメンバーと、彼らのマネージャーだったマルコム・マクラレン。世界中にパンクムーブメントを巻き起こした伝説のロックバンド、セックス・ピストルズの活躍と、彼らをデビューさせたマネージャーの策略をドキュメンタリータッチで描いたロックムービー。

　ロックファンの間では伝説的なバンドとして人気のあるセックス・ピストルズですが、実はマネージャーだったマルコム・マクラレンという男のマーケッティング戦略によって、注目を集めるように計画されていたという事実が明かされる暴露映画です。セックス・ピストルズの貴重な映像が満載なので、ロックファンにとっては楽しめると思いますが、ロックに関心の無い方にとっては、全く意味の無い映画で、ユーモアもあるものの、下品でショービジネスを知らないと笑えないネタが多く、ロックファンだけが楽しめる作品になっています。ロクに演奏もできないバンドを、下品な言動と過激な行動を宣伝材料にして売り込み、地元イギリスだけでなく、世界中で反対運動が起きるほど大騒ぎさせたという事実には驚かされますし、何と言ってもセックス・ピストルズの貴重な映像が楽しめるので、パンクロックのファンにはオススメです。また、ドキュメンタリータッチとは言え、全編にわたってふざけた演出がされているので、パンクロックで大暴れといったパーティーでのＢＧＶにもいいかもしれません。ただし、セックス・ピストルズの大ファンの方にとっては、ショッキングな内容であり、ロックに関心の無い方にとっては、下品で笑えないコメディ映画というレベルの作品なので、特定のロックファンしか楽しめない作品かもしれません。

嫌われ者にしないとな

　放送禁止用語を連発し、挑戦的、威圧的な歌詞で観衆を刺激する本物のチンピラだったセックス・ピストルズのメンバーたちは、その素行の悪さと、反キリスト的な発言で世界中の保守的な人間から嫌われ、有名人になりました。世界一の嫌われ者に仕立て上げる事によって、誰よりも目立つ存在になり、宣伝に金を使わずにプロモーションができました。もちろんセックス・ピストルズの音楽や歌詞の魅力によってレコードが売れたわけですが、全てがマルコム・マクラレンの計画通りに進んだようです。