ロサンジェルス警察のタフガイ刑事キンブルは、麻薬組織の大物クリスプを逮捕する為の重要な証人として、クリスプの元妻探していた。彼女がオレゴン州に住んでいるという情報を得たキンブルは、女性警官のオハラとともにオレゴンに向かうが、先生として潜入するはずだったオハラが食中毒になり、キンブルが幼稚園の先生として潜入する事になるのだが・・・。

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　１９９０年アメリカ作品。監督は『ゴースト･バスターズ』『エボリューション』など、コメディ系の作品が得意なアイバン･ライトマン。主演は『ターミネーター』シリーズのアーノルド・シュワルツェネッガーと、『カリートの道』のペネロープ・アン・ミラー。捜査の為には平気で人を殴り、ショットガンをぶっ放すタフガイ刑事が、幼稚園の先生になるというギャップが面白いコメディ作品ですが、田舎での生活、子供とのふれあいの中で変わっていく主人公の姿が感動的な作品です。アーノルド・シュワルツェネッガー主演作品の中ではマイナーな作品ですが、笑いと涙と感動を味わえる名作です。

　正直なところアーノルド・シュワルツェネッガー主演作品は、エンターテイメント性は高くても内容の薄い作品が多いので、あまり好きではないのですが、この作品だけは例外です。この作品の他にもアーノルド・シュワルツェネッガー主演のコメディ作品はありますが、この作品がベストです。子供たちの言葉には爆笑させられますが、笑えるだけでなく大人に対する皮肉も多くブラックジョークにもなっています。また、子供たちの親の多くはシングルマザーで、無責任でロクデナシな男に対する批判も感じられますし、家庭内暴力に苦しむ子供も出てくるなど、離婚や暴力的な親によって子供が被害を受けているというアメリカの家庭の問題をさりげなく取り込んでいるところも凄いと思います。そして何より、都会とは全く違う田舎の生活、子供とのふれあい、恋愛によって人間性が変わっていく主人公の姿に感動させられます。田舎ならどこでも環境がいいとは言いませんが、この作品は、田舎暮らしのイメージをよく表現しているので、田舎暮らしに憧れている方にもオススメです。

ヤク中や殺人鬼の元に戻れるわ　

　捜査の為に仕方なく幼稚園の先生になったキンブルですが、同僚のオハラに、すぐにＬＡに戻れると言われて、考え込んでしまいます。凶悪な犯罪者やドラッグ中毒の犯人たち囲まれて生活していたキンブルにとって、ほとんど犯罪も無い田舎町で子供たちを教育しながら生活するのは、たとえ子供たちに手を焼いても新鮮な体験だったと思います。私も田舎暮らしをしていて、今住んでいるところが大好きなので、この気持ちは良く分ります。もう、犯罪の多い都会の生活に戻る気はありません。

子供に会ってやらないの？

　離婚して、自分の子供にしばらく会っていないキンブルに、なぜ会わないのか？と尋ねる子供たちの顔には心が痛みます。親の都合に振り回される子供たちの気持ちが、この一言に表れているような気がします。人それぞれ、色々と事情はあると思いますが、子供が会いたがっているのに、しばらく会っていない方にも、この映画は是非観ていただきたいです。

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アーノルド・シュワルツェネッガー
パメラ・リード
ペネロープ・アン・ミラー
リンダ・ハント

 

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