1984年日本作品。監督は『となりのトトロ』『ルパン3世・カリオストロの城』の、宮崎駿。声の出演は、
島本須美、辻村真人、京田尚子など。戦争で汚染されてしまった近未来の地球を舞台に、武力によって世の中を支配しようとする大人たちの戦いの中で、汚染源であると言われる虫たちとの共存を目指そうとする少女の姿を描いたSFアニメ作品。
世界中で高い評価を得ている宮崎駿監督作品の中でも、最も人気の高い作品の一つ。世界中で高い評価を得て、海外でもDVDが発売されています。純真な少女や子供の視点からの物語の多いジブリ作品ですが、本作の主人公ナウシカは、生き物を愛する純真な気持ちを持つだけでなく、風の谷のリーダーとしての責任感の強さ、行動力などを持ち合わせていて、特別な魅力のあるキャラクターでしょう。そして、この作品が製作された当初とは違って、原発事故による汚染が問題となっている今となっては、私利私欲にはしる人間の愚かさや、環境問題の重要さを学ぶという意味でも大きな価値のある作品です。映画は好きだけど、アニメは苦手という方にも是非観ていただきたい名作です。
311大地震、福島原発事故を経験した私たちにとっては、架空の物語としてだけでなく、身近な問題として感じられる作品になってしまいました。これから先、この作品のような未来が待ち受けているかどうかは分かりませんが、この作品で描かれているように武力による支配、戦争による解決を考えるような国が出てこないように祈るばかりです。この作品で一番感心したのは、生き残った人間の中で真理を知っているのがナウシカだけで、大国の支配者をはじめとして武力に頼る人間は真理を知らないという部分。真理を知って何をすればいいかを理解している人間が指導者なら、人類は間違った方向に向かわないのでしょうけれど、私利私欲の為、虚栄心を満足させる為に指導者になりたがるような人間が指導者になれば、本当に『火の7日間』が起こるかもしれません。
怯えていただけなんだよね
キツネリスのテトは、出会ったばかりのナウシカに噛み付きますが、ナウシカは痛みに耐えてテトの信頼を得て親友になります。私たちの身近にいる犬や猫も、攻撃的な態度を取るのは怯えているだけで私たちを嫌っているわけではないんですよね。ちょっとガマンして動物の信頼を得れば、きっと仲良くなれます。
悪い事してない
幼い頃のナウシカは、オームの子供を隠して必死に守ろうとします。考えてみれば、人間に対して害を与えない動物や虫に対しても人間は平気で暴力をふるったり殺したりします。動物を虐待したり、平気で虫を殺したりする人間は、いつか、償わなければならないのかもしれませんね。
怒りに我を忘れてる
子供のオームをさらわれて怒り狂ったオームの集団が走り続けるシーンはぞっとしますが、人間も怒りに我を忘れると恐ろしい凶行にに及ぶことがあります。我を忘れるほどの怒りの感情ほど恐ろしいものはありません。
みんな間違いです
自分が正しいと思っている人は、自分の正当性を主張して他人の意見を聞こうとしませんが、結局100点満点の答えを知っている人は一人もいないのかもしれません。みんな間違っているのかも。