2014年日本作品。監督は吉田恵輔、出演は、中島健人、広瀬アリス、吹石一恵など。荒川弘原作の大ヒットコミックの実写作品。受験戦争に敗れた高校生が、進学先の農業高校の同級生たちとのふれあいによって成長していく姿を描いた青春映画。
連載中の大ヒットコミックの実写映画化作品で、ありがちなパターンですが、上映時間の制約があるので完全に原作に忠実なストーリー展開ではなく、かなりストーリーの省略があります。キャスティングは大体は成功だと思いますが、原作と比べて主演の八軒勇吾のコミカルなキャラクターに描かれていないのでユーモアの要素が弱くなっています。はっきり言ってあまり笑えない。これが監督の意図した所なのか、監督の意思とは別に主演俳優がキャスティングされてしまって妥協した結果なのかは分かりませんが、コメディ色の強い原作を生かしきれていないのは残念です。ヒロインの御影アキを演じる広瀬アリスさんの好演や、原作のキャラ以上にインパクトのある個性的でアクの強い俳優をうまくキャスティングしてメリハリをつけている点に関しては大成功だと思います。原作を読んでいる人には不満が多いと思いますが、娯楽作品としては及第点の出来だと思います。
大ヒットコミックの実写映画作品は必ずと言っていいほど失敗するので、本作に関しても全く期待してませんでしたが、広瀬アリスさんの好演で泣ける作品として楽しむ事ができました。実は、私の実家も農家なのである程度の農業の知識はあるんですが、借金、経営難、離農などの問題は気が滅入ります。私は家を継いでいないので農業経営の厳しさはまではわかりませんが、牛乳の買取価格の安さなどの現状を知ると本当に農家の厳しい現実に唖然としてしまいます。この作品を観ると、普段何も考えずに食べたり飲んだりしている食品に対して感謝の気持ちを持てるようになるかもしれません。そういう意味ではいい勉強になる作品ですね。
最初の競争に負けたら、ずっとその立場に甘んじてしまう
別に勝ち組、負け組みとかは気にす無くてもいいと思いますが、自分の努力が足りずに自分の望む場所を得られないなら、努力して挽回する意思とか行動力がある方がいいかもしれません。自分自身で納得がいかないのにの努力する事をやめて現状に甘んじてしまうなら、自分の置かれた立場に文句は言えないと思います。
努力が報われないのって、なんかヤだな
この言葉がこの映画で一番重要かもしれません。共感する人が多いんじゃないでしょうか。今の世の中、努力に応じた結果が得られない、タイミングの悪さや不運によって報いを得られない人が多いような気がします。自分の事ならガッカリしますし、他人が報われない姿を見ても同情して落ち込んでしまいますよね。全ての努力が報われる世の中になったら、どんなに素晴らしいでしょう。
無理じゃなかった
最初からダメと決め付けて何もしなければ何も成し遂げる事はできませんが、少しでも可能性があるなら真剣に努力する事によってできる事もあるかもしれませんね。自分だけで何としようともがくよりも友人の力を借りる事によって成し遂げられる事も多いと思います。