2016年日本作品。監督は『映画けいおん』の山田尚子。2015年の『このマンガがすごい!』オトコ編で1位に輝いた大今良時さんの大ヒットコミックを原作にした長編アニメーション映画。いじめ、恋愛、友情、人間の再生などを描いた感動のドラマ。
大ヒットコミックの映画化作品なので原作を読んだファンに注目されて大ヒットしましたが、何と世界30の国と地域での世界配給が行われ数々の賞を受賞、高い評価を得ています。アニメ作品にしてはシリアスなテーマで、どちらかというと大人向きの作品だと思いますが、原作の質の高さやキャラクターの良さを生かした映像美で映画としての完成度は高く、世界公開しても十分に世界で通用する作品だと思います。個人的には、多少の難点があっても、この作品を長編アニメーションで多くの人が鑑賞できるようにしたくれたというだけでも監督をはじめ製作に携わった全ての人に感謝、感謝です。ただし、上映時間の制約があるため原作のコミックを読んでから鑑賞した人には、ちょっと物足りなさがあるかもしれません。原作では主要登場人物の人間性がきめ細かく描かれていてストーリーに重厚感がありますが、本作では脇役のキャラクターの個性を描く時間が足りず主人公二人の物語を中心に描かれているので、原作のファンからは不満の声も聞かれるようです。原作があまりにも衝撃的、感動的だったので原作の完全な映画化と期待するとガッカリすると思いますが、限られた時間の中でこれだけ完成度の高い作品としてまとまっているなら十分に合格点だと思います。まだ原作コミックも映画も観ていないなら映画を観てからコミックを読むことをオススメします。原作では脇役のキャラクターの片思いの苦悩、復讐を考えていた人間の改心、臆病だった人間の成長など映画では省略されてしまったエピソードも楽しむ事ができます。
最近はインターネットで調べると、どんなマンガが人気があるのか評価が高いのかをすぐに調べる事ができます。『このマンガがすごい!』の1位になっている作品はどれも素晴らしい作品で読むようにしていますが、この作品は特に秀逸でした。と言うか衝撃!色々と個人的に思い入れというか共感できる要素が多いので、原作コミックは5回読みました。 私も本作の主人公の石田将也と同じように死にたくなって自殺の為の準備をした事があるので主人公の気持ちが理解できますし、西宮硝子の罪悪感も理解できます。共感できる要素が多いから余計に泣けます。また、西宮硝子のキャラクターも魅力的です。他人に悪意を持たず自分を責めてしまう善良さは本当に魅力的で、これもまた個人的な事なんですが、私の知り合いに西宮硝子にそっくりなキャラクターの女性がいて、この作品を観るたびに思い出してしまい動揺してしまうという点でも特別な思い入れがあります。もう、何か何度観ても涙、涙です。
わたしとあなた、友達に・・・
この映画では主人公が聾唖者で言葉が話せないばかりに気持ちをうまく伝えられないもどかしさが描かれていますが、話が出来ても感情をうまく伝えられない事って多いですよね。凄く好きな相手だと緊張して話ができなくて告白もできずにとか、良くあると思います。後悔しない様に勇気を出して気持ちは伝えておいた方がいいと思います。私も伝えられずに後悔して今も引きずっています。
自分の犯した罪は、そっくりそのまま自分に跳ね返る
因果応報。人をイジメたりするといつか自分もイジメられたりするんでしょうか。どんなタイミングで、いつ自分に返ってくるか分かりませんし怖いですね。自分のした事がそのまま自分に返ってくるなら、できるだけ他人の大して敬意を持って優しく接していれば心配しなくて済むかもしれませんね。
私と一緒にいると不幸になる
自分のせいで誰かが傷ついたり、重大な事態になったりしたら、やっぱり責任を感じて自分を責めてしまう人も多いと思います。でも悪気が無いのに傷つけてしまうような相性の悪い相手というのもいるような気がします。自分でも気づかないうちに傷つけてしまうな時は、そういう運命と考えて自分を責めすぎないようにしないと生きていけなくなってしまいます。
もう嫌なことから逃げたりしません
人間の本能なのでしょうか、自分の力ではそうしようも無いと悟ると私たちは神様に祈ります。神様にお願いする時は、誓いをする時もありますね。誰かを助けて欲しい時に、自分も努力するので、どうか助けてくださいとお祈りする人も多いでしょう。他人の為の祈りなら神様も聞いてくれると思います。もっとも神様は、私たちの願いよりも最善の道を用意してくれると思いますけど・・・。