パンクロックの本質
1976年にデビュー、セックス・ピストルズと並んで影響力の大きなパンクロック・バンド、メンバーは、ジョー・ストラマー(Vo・G)、ミック・ジョーンズ(G・Vo)、ポール・シムノン(B)、トッパー・ヒードン(Dr)。パンクムーブメントの先駆的な存在のバンドですが、レゲエサウンドを大胆に取り入れ、音楽的にも探究心が旺盛、そして、メッセージ性の強い歌詞は、政治的な内容も多く、体制に批判的な歌詞は、多くのロックファン、ミュージシャンに大きな影響を与えました。
パンクロックは演奏がヘタというイメージがあって、パンクロックを敬遠している方もいるかもしれませんが、ザ・クラッシュの演奏は、パンクバンドの中では、かなり安定しています。メンバー4人の中で一番地味な存在なので見過ごされがちですが、トッパー・ヒードンの安定したドラミングは、ザ・クラッシュのサウンドに、絶対的な安定感と、躍動感を与えています。技術的にも、レゲエ、ロカビリー風の曲にも柔軟に対応するテクニックとセンスを合わせ持ち、ザ・クラッシュのサウンドを支えていました。残念ながらドラッグ中毒でバンドをクビになってしまいましたが、ドラマーとしての才能が過小評価されているのが残念です。
クラッシュの衝撃的なメッセージ性が、ケンカ腰のヘヴィなサウンドで叩きつけられるように演奏されると、血のたぎるような興奮にエネルギーがわいてきます。ロックの本質的な反逆性、メッセージ性という意味では、最も偉大なパンクロック・バンドと言えるかもしれません。
結成前のエピソードですが、ジョー・ストラマーのファンだった、ミック・ジョーンズとポール・シムノンがジョー・ストラマーのステージを観に来たときに、ケンカを売りに来たと勘違いしたジョー・ストラマーは、『ポールはヤバイから、ミックだけぶん殴ってから逃げようと思っていた』、とインタビューで話していたのには笑いました。同感です!私も気が短く暴力沙汰が多いのですが、ミック・ジョーンズならぶっ飛ばす自身はありますが、ポール・シムノンとはケンカしたくありません。勿論ジョー・ストラマーともケンカしたくありません。それにしてもねー、ケンカばかりしてたんでしょうねー。さすが本物のパンクロッカー!