美しきアイルランドの風
いわゆる兄妹バンドで、長男のジム(ギター・キーボード)、長女シャロン(バイオリン・コーラス)次女キャロライン(ドラム・ピアノ)、三女アンドレア(ヴォーカル・ティンホイッスル)というコアー兄妹の編成に、ツアーではギタリストとベーシストを同行させる形でバンド活動を行っています。
映画1991年の映画「ザ・コミットメンツ」のオーディションを受けるため結成され、この映画のミュージック・アドバイザーだったジョン・ヒューズに認められて、有名なプロデューサー、デヴィッド・フォスターに紹介されます。彼が「10点満点で10点以上」と評したほどデビュー前からハイセンスで完成度の高いバンドだったようです。1995年、デヴィッド・フォスターがプロデュースして発売されたアルバム『遥かなる想い』でデビュー。シングルカットされた『ランナウェイ』などのヒットにより、世界中で450万枚以上のセールスを記録する大ヒットアルバムとなります。
1997年にセカンドアルバム『トーク・オン・コーナーズ』を発表、コアーズの重要なレパートリーとなる「ソー・ヤング」やフリートウッド・マックのカバー曲『ドリームス』など、前作以上にポップで洗練された名曲の多い作品となり、世界各国で1位を獲得し、その後、このアルバムからの曲を中心にMTVアンプラグドで演奏、このアンプラグドでの演奏はCD、DVDとして発売されて、こちらも大ヒットを記録し、アイルランドのバンドとしては、U2に次ぐ人気と言えるほど全世界で愛されるバンドとなります。
2000年発売のアルバ『イン・ブルー』は、前2作までよりアイルランド的な要素がなくなりましたが、「ブレスレス」の大ヒットもあり、世界各国でプラチナ・ディスクを獲得して、人気を不動のものとし、「イン・ブルー」のツアーも大成功をおさめました。ツアー終了後、シャロンとキャロラインは結婚、キャロラインは、その後、出産の為バンド活動を一時休止します。
2004年のアルバム「ボロウド・ヘヴン」では、本来のアイルランド独特の音楽的な要素に、さらに進化したコアーズのパワフルなオリジナリティが融合し、最高傑作と呼ぶにふさわしい仕上がりとなっています。「ボロウド・ヘヴン」のツアー中、産休で休んでいたキャロラインも途中で合流し、元気な姿をファンの前に見せてくれました。
2005年に発表されたアルバム「ホーム」は前作とは全く趣向の違うアルバムで、アイルランドの民謡を収録したカバー・アルバムになりました。ポップなヒット曲を期待していた方には期待はずれになると思いますが、じっくりとアイルランドの空気を感じられるアルバムなので、癒しを求めている方には最高のアルバムかもしれません。このアルバムは、彼女達の亡くなった母親に捧げられています。
その後のザ・コアーズは、ママさんバンドらしく、子育てや家庭生活をしながら、ソロ活動などを行っているようです。