ついに世界制覇

１９８２年発売、ジューダス･プリーストの通産８枚目のアルバムで、アメリカで大ヒット、彼らの名を世界に知らしめ、メタルゴッドとしての存在を決定付けた名盤。『ヘリオン』『エレクトリック･アイ』『ユーヴ・ガット・アナザー・シング・カミング』などを収録。

　前作『黄金のスペクトル』が空振りに終わり、アメリカでの人気が定着しなかったジューダス･プリーストですが、ポップなメロディでヒットを狙うより自分たちらしいヘヴィでスケールの大きな曲で勝負しようという意気込みの感じられるアルバムで、彼らの最大のヒットアルバムとなりました。ジューダス･プリーストの代表的なアルバムというだけでなくハードロック、ヘヴィメタルの歴史に残る名盤と評価されているアルバムなので、このアルバムを聴いてだめならヘヴィメタルは聴けないだろうという試金石としても価値があると思います。オープニングの『ヘリオン』から『エレクトリック・アイ』の流れは、後の様式美を追及したヘヴィメタルバンドに多大な影響を与えていますし、アルバムタイトル曲である７曲目『 復讐の叫び 』の強烈なシャウトとスピード感溢れるヘヴィメタルサウンドは、ハードロックファンにはたまらない魅力でしょう。そして、彼らの代表曲である『ユーヴ・ガット・アナザー・シング・カミング』も収録されていますが、この曲は、シンプルで快活なビートが最大の魅力で、無意識のうちにビートに乗せられてしまう躍動感に満ちていて、決してポップな曲でも無く、強烈なリフも無いにも関わらず、一番印象に残る不思議な魅力を持つ名曲です。強いて言えば、６曲目の『ペイン・アンド・プレジャー』が捨て曲かな？という感じがしますが、ヘヴィメタルというジャンルに関しては間違いなく歴史的な名盤でしょう。前作までのアート性の高いアルバムジャケットからシンプルでティーン向けのアニメをアルバムジャケットに使用したのも成功しているようです。このアルバムを聴いてダメなら、ヘヴィメタルというジャンルは肌に合わないと思っていいと思います。

　さすがに４０歳を超えるとヘヴィメタルを聴く回数は減りますが、このアルバムだけは例外的に聴き続けています。私はドラムをやっていた事もあり、ドラムに関してはシビアな見方をしてしまい、ヘタなドラマーのアルバムはパスしてしまいますが、このアルバムでのデイブ･ホーランドのドラミングは、シンプルながらも、とにかくスケールが大きくて快感です。一般的には、ミディアムテンポの曲やスローな曲でゆったりとしたビートを作るのは難しくはありませんが、極端に速いビートの曲だと、チマチマしたビートになりがちです。しかし、このアルバムでのデイブ･ホーランドのビートは、『エレクトリック・アイ』『嵐の出撃』『復讐の叫び』というスピードのある曲でもスケールの大きなグルーブで叩いているので、リスナーもノリやすく、体全体で曲が楽しめます。特にドラムを意識して聴いていなくても、みんなデイブ･ホーランドに乗せられているんですよ。ジューダス･プリーストの他のメンバーも演奏していて楽しいと思います。このドラムは本当に凄いです！

　  　

 

■　ユーヴ・ガット・アナザー・シング・カミング 　■

　この曲は、ジューダス･プリーストの代表曲としてライブでも盛り上がる曲ですが、８０年代にウッドストックの再現を目指して開催されたＵＳフェスティバルでのパフォーマンスが、とにかく凄いです。アップテンポで演奏されていてドライブ感が増し、観客を大いに盛り上げています。この映像は、ＵＳフェスティバルのダイジェストとしてＤＶＤで発売されています。

 

アナログレコードは、まだ買えます。楽天で探しましょう！

リマスター盤がオススメ

　このアルバムに限った事ではありませんが、８０年代に発売されたヘヴィメタル系のアルバムは、とにかく音質の悪いものが多く、せっかくの名盤をいい音で聴けないのが難点です。近年リマスター盤が発売され、音が改善されているので、名盤を高音質で楽しみたい方は、ちょっと高くてもリマスター盤を購入した方がいいと思います。

USENが提供する音楽ダウンロードサービス、まずは無料試聴を。
【OnGen USEN MUSIC SERVER】

 

カスタム検索