ローマの産院で、６月６日、午前６時にアメリカの外交官ロバート・ソーン夫人キャサリンは、男の子を出産したが、その子は生まれて間もなく死んでしまった。ロバートは、神父から、同じ日、同じ時間に生まれた男の子を、もらってほしいと頼まれ、妻にはその事を話さずに、その赤ん坊を自分の子供と育てることにする。子供は、ダミアンと名づけられ、キャサリンはダミアンを自分の子と信じて育てていたが、ダミアンの５歳の誕生日のパーティで、ダミアンの乳母が首を吊って自殺するという事件が起きて、ブレナンという神父がロバートに、ダミアンは悪魔の子だと告げるが、ロバートは相手にしなかった。しかし、ダミアンの身の回りで次々に不幸な事件が続き、ロバートが、ダミアンの出生について調べ始めると、恐ろしい事実が明らかになっていく・・・。

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　１９７６年アメリカ作品。監督は『スーパーマン』『リーサル・ウェポン』などのリチャード・ドナー、主演は『ローマの休日』のグレゴリー・ペック。今までに無い独創的な脚本で大ヒットした犯罪サスペンス。新約聖書のヨハネの黙示録で、獣の数字とされる６６６のアザを持つ悪魔の子供が、人類を滅亡に導こうとするホラー映画。

　個人的には『エクソシスト』より怖かったですね。『エクソシスト』も実話をベースにした怖さがありましたが、悪魔なのか悪霊なのか分らない曖昧な部分、含みを持たせた部分があるので恐怖の対象がつかみどころがありませんでした。この作品では、ズバリ悪魔の子供が主役で、聖書の記述を引用しているので実話でなくても、本当にあるかもしれない！という恐怖と、目に見えない力で次々と人が殺される怖さに悪魔の力を感じてビビリました。主役のグレゴリー・ペックは、後の大統領候補という風格のある外交官にピッタリで、作品に重厚感をもたらしていますし、子役の表情は、今観ても怖いです。この作品を観てからヨハネの黙示録などに興味を持った人も多いと思います。ただし、この作品は、あくまでフィクションなので、聖書の引用も、この作品のストーリーに都合がよく解釈されているだけなので、そのまま鵜呑みにしない方がいいです。聖書に詳しくない私たち日本人にとっては、聖書の預言などについて誤解したり、信じ込みやすい傾向があるので、キリスト教を信仰している国の人より恐怖を感じやすいのかもしれません。

富と力と悪魔の助け

　悪魔の子供が入り込むのが、後の大統領候補として有望視されている外交官。富も権力も手に入れて、悪魔の助けがあれば本当に世界を支配できるかもしれません。この作品では世界の支配者であるアメリカの大統領になることが、世界を破滅に導く為に一番都合がいい方法として描かれています。こういう設定は、なんかミョーにリアルで笑えません。歴代のアメリカ大統領の中にも、本当に悪魔の手先のような外交をしていた人が何人かいるので、怖くなります。もしかしたら、すでに悪魔の子供が世の中をコントロールしてるんじゃないでしょうかね。

 

いやならいい、私がやる

　ダミアンの招待を知ったロバートですが、まだ幼い子供に凶器を向けることに抵抗し、悪魔の子を滅ぼす方法を知るブーゲン・ハーゲンから預かった短剣を投げ捨ててしまいます。ダミアンの秘密の調査の為に同行していたカメラマンが短剣を拾いに行きますが、その時に悲劇が・・・。名シーンというか、一番有名なシーンですが、何度観てもイヤですね。しかし、やはり、このシーンが一番強烈に印象に残ります。

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