バイクの事故で弟を失ったロック・ミュージシャンのモンローは、生きる気力を失い、海沿いの小さな町でひっそりと暮らしていた。ある日、モンローは、海辺を散歩している時に小さな壷を拾い家に持ち帰ると、壷の中から妖精が現れ、願いを全て叶えてくれるというのだが・・・。

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　１９８８年イタリア作品。監督はチャールズ・フィンチ 、出演は、 『リトル・ロマンス』『トスカーナの休日』などのダイアン・レイン、『サブウェイ』などのクリストファー・ランバートなど。生きる気力を失ったミュージシャンと妖精の恋を描いたラブファンタジー。

　よく言えば大人のファンタジー作品という事でしょうが、低予算の為か手抜き映像が目立ち、B級作品として割り切って、ダイアン・レインとクリストファー・ランバートの魅力を楽しむだけの作品かもしれません。物語の舞台が海沿いの田舎町なので、ハリウッド映画とは違う異国情緒を味わえますし、主演の二人の存在感は魅力的ですが、ストーリーに意外性も無く、感動的な内容とは言えません。妖精が全ての願い事を実現してくれると言いますが、主人公のモンローは、人間の努力や苦労無しに夢が実現してしまう事に違和感を感じ拒絶します。こういう人間味のある抵抗には、感心しますが、モンローと妖精との恋愛では、相手が人間ではなく妖精だということに悩み、ファンタジーらしからぬ現実的な悩みにちょっと白けてしまいます。また、予算不足が印象的なのは、弟のジミーのバイク事故のシーンの映像。昔の日本の特撮ドラマよりヒドイ映像処理で、ガッカリさせられてしまいます。ダイアン・レインの美しいヌードシーンが話題になった作品なので、ダイアン・レインのファンにはオススメですが、『オーヴァー・ザ･ムーン』ほどハッキリとしたヌードでは無いので、過度に期待すると、ヌードシーンにもガッカリさせられてしまいます。しかし、２０代で女性としての魅力が際立っていた時期のダイアン・レインのヌードは、やはり貴重で、ファンにとっては見逃せないでしょう。ダイアン・レインのファンにオススメの作品です。

魔法は使うな

　スタジオが欲しいと思えばスタジオを、城が欲しいと思えば城を作ってしまう妖精に、モンローは魔法を使わないようにと頼みます。欲しいものは自分の努力によって手に入れるべき！、苦労や努力無しで手に入ったものには、達成感や満足感が無く空しいと考えているモンローの気持ちが伝わってきます。何をやってもうまくいかず、何も手に入らない私にとっては、夢を叶えてくれる妖精の存在は、うらやましい限りですが・・・。

 

妖精の出現

　壷の中から妖精が現れるシーンは、映像的にはお粗末ですが、ダイアン・レインの美しいヌードが印象的です。この作品は、一部のファンからカルト的な人気のある作品ですが、このシーンを目当てにＤＶＤを購入している人も少なくないと思います。

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