1980年アメリカ作品。主演は『スパーマン』シリーズのクリストファー・リーブと、『007死ぬのは奴らだ』のボンド・ガールを務めたジェーン・シーモア。時空を超えた恋愛を描くラブファンタジー作品。
この作品は大ヒット作品というわけではないので知らない人も多いと思いますが、アメリカでは大学生を中心にカルト的な人気のある作品として有名で、日本でも熱狂的なファンが多く根強い人気があります。時空を超えた恋愛というストーリーは、恋愛映画にはよくあるパターンの映画だと思いますが、1910年代という、極端にレトロ感のある時代と、キャストの魅力もあり、タイムトラベルの恋愛映画にありがちな、現実離れした違和感を感じさせない、なぜか懐かしささえ感じさせる名作になっています。時空を超えた恋愛を成就する為には、タイムトラベルの必要がありますが、タイムマシンや、難しい科学理論を屈指して時空を超えるのではなく、人間の想念、愛情の強さによってタイムトラベルするところも好感が持てます。1910年代のファッションが古臭いというよりも現代人が失った純情な感情、誠実さなどがファッションに現れているようで清潔感が感じられて新鮮ですし、主演のクリスファー・リーヴとジェーン・シーモアのキャラクターも典型的な美男美女にも関わらず、いやらしさが無く、純粋な恋愛感情がリアルに伝わってきます。純愛映画が好きな人には絶対にオススメの作品です。一応主人公はタイムトラベルをして愛する人に出会うという設定ですが、『タイムマシン』のようにリアルなタイムマシンを製作して時間を越えるわけではないのでタイムマシンのリアリティを求めるようなSFファンには向きません。飽くまで恋愛映画として楽しんだほうがいいでしょう。
クリストファー・リーヴの人間的な魅力が自然に伝わってくるこの作品は、今でもカルト的な人気があり、一部のファンの間で絶大な支持を得ています。特に、映画の終盤に、エリーズと離れ離れになり、苦悩するシーンでは、観ている方まで、苦しくなり、切なくなってしまいます。エンディングシーンが、ハッピーエンドだと思いたいのですが、究極の純愛というのは悲恋に終わる方が多いのかな?と考えさせれてしまいます。美しい純愛だからこそ悲しい、そんな名作です。