私立探偵のウェルズは、大富豪のクリスチャン夫人から、彼女の夫の遺品の８ミリフィルムが本物かどうかを調査するよう依頼される。そのフィルムには、少女がマスクを被った人物に惨殺される場面が映っていた。ウェルズは、少女がメアリー・アン・マシューズという名前であることを突き止め、彼女の足取りを追ってロサンジェルスで調査を始めるのだが・・・。

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　１９９８年アメリカ作品。監督は『セント・エルモス・ファイアー』『タイガーランド』などのジョエル・シューマカー、主演は『天使のくれた時間』『ナショナル・トレジャー』などのニコラス・ケイジ。殺人現場を映したスナッフフィルムの調査を依頼された探偵が、闇ポルノ業界の人間と対決する姿を描いたサイコサスペンス。

　んー、コレ最悪ですよ。ホントーにサイアク！サイコサスペンスも、とうとうここまで来たか？という感じで、最低最悪に気分が悪くなる作品です。惨殺シーンなどの生々しさも気分が悪くなりますが、闇ポルノを販売している地下マーケットの様子にもゾッとします。個人的には、一生こういう場所には出入りしたくありませんし、こういう場所に出入りする人間と関わり合いになりたくも無い、そんな拒絶反応が出てしまう作品です。作品全体としては、悪役の迫力もあり、サスペンス映画としても良く出来ているのですが、例え映画と言えど、こういうテーマを作品にすること自体に問題があると思います。大富豪が金と権力を使ってスナッフフィルム（殺人映像）を手に入れたり、金の為に殺人を犯すサイコ野郎がいたりと、全くもって気分の悪くなる作品なので、極端に猟奇的な趣味がある人以外にはオススメできません。

一人の食事はわびしくて

　行方不明になっている少女メアリー・アン・マシューズの母親は、娘がいなくなってから孤独な生活を続けています。いつもで経っても一人の食事に慣れることができない、と言う言葉が、彼女の孤独感を強く感じさせます。

悪魔と踊れば、悪に染まる

　ポルノ作品に限らず、邪悪な映画、本などに影響を受けすぎると、少なからず影響されてしまいます。この作品の中で、ウェルズに協力するポルノショップの店員も、元々はミュージシャン志望でしたが、ポルノ業界に毒されて、本来の目標から離れてしまいました。自分の人間的な成長に悪影響を及ぼすと分っているものからは、できるだけ距離を置かないと、どんどん悪に染まってしまいます。

母親からの手紙

　メアリー・アン・マシューズが家出してから、彼女の帰りを待ち続けていた母親。そんな彼女からウェルズに手紙が届きます。人間の欲望、金持ちのきまぐれなど醜悪なテーマに満ちた毒々しい作品の中で、唯一心が休まるシーンです。

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インターネットが取って代わる

　この作品の製作は１９９８年なので、今ほどインターネットは普及していませんでしたが、この作品の予言通り、今では、インターネットに溢れるポルノコンテンツが問題になっています。アメリカなどでは、かなり法整備され有害コンテンツに関しては厳しい対応をしているようですが、子供でも簡単に観ることのできる有害コンテンツの存在は、社会問題になっています。

 

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