ミュージシャンを目指すビリー、弁護士を目指し勉強中のカーボ、大手銀行に努めるジュールズ、新聞社の記者ケヴィン、ボランティア活動をするウェンディ、政治家を志すアレックスと、その彼女のレスリーの７人は、ジョージタウン大学の卒業生で、卒業後も親しく付き合うグループ。卒業後、それぞれの道を歩みはじめた７人だったが、大学時代の楽しい思い出を忘れられないビリーは、職を転々とし、友人や家族に迷惑をかけてばかり、他の６人も順調に人生を歩んでいるように見えたが、それぞれ大きな悩みを抱えていた・・・。

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　１９８５年アメリカ作品。監督は、『８ｍｍ』『フォーン･ブース』のジョエル･シューマカー。出演は、ブルース･ウィリスの元妻で『ゴースト・ニューヨークの幻』の主演で有名なデミ･ムーア。『ホテル･ニューハンプシャー』などに主演しているロブ・ロウ。『ブレックファスト･クラブ』『ファンダンゴ』に出演していたジャド･ネルソン。『プリティ･イン･ピンク』『マネキン』に主演していたアンドリュー･マッカーシー。『ショート･サーキット』などに出演、ボン･ジョビのギタリストであるリッチー･サンボラと交際が噂されていたアリー･シーディー。『地獄の黙示録』に主演していたマーティン･シーンの長男で、『ヤング･ガン』『飛べないアヒル』などに主演、最近では『ボビー』の監督も務めているエミリオ･エステベスなど、本当に豪華な出演者です。さらに、後に『セックスと嘘とビデオテープ』に主演するアンディ・マクドウェルも出演しています。

　１９８０年代、ブラットパックとかYAスターと呼ばれたアイドル性の高い俳優が活躍していた時期に製作された青春映画の傑作で、当時、人気絶頂だったスターが勢ぞろいした、８０年代を代表する作品のひとつです。８０年代は、アメリカン･ニューシネマの時代が終わり、ハリウッド映画を中心に、内容よりも利益追求型の作品が多くなり、７０年代と比べると極端に映画の質が落ちてしまった時代ですが、思想や社会の裏側を暴くような大きなテーマではなく、もっと個人レベルでの夢や、恋愛、悩みを描き、多くの若者の共感を得て大ヒットした名作です。また、この映画の出演者は、当時、ファッション･リーダーとしても注目されていて、出演者のファッションは、実に個性的です。

　学生時代の楽しい思い出から卒業できないビリー、友達の彼女に恋してしまったケヴィン、妻子のある男への思いを断ち切れないウェンディ、などなど、多くの人が共感できるような身近なテーマが多く、卒業後も、学生時代からの友情が続いていくという理想的な人間関係も魅力的でした。個人的には、私のグループは野郎ばっかりだったんで、男女数人での仲のいいグループという設定も憧れでしたね。

永遠もずいぶん短くなった

　友人の恋人に恋をしてしまったケヴィンがつぶやくセリフですが、個人主義、利己主義が強くなっていった８０年代を皮肉ったようなセリフでで印象的です。また、映画の終盤で、『セント･エルモス・ファイアー』とは、漁師が作った幻だ、と言うセリフも出てきますが、多くの人にとっての、希望や悩みは、生きて行く理由として人間が作り上げた幻なのかもしれない、そんな哲学的な教訓も含んでいるようで、奥が深いセリフだなぁ、と感心してしまいました。