テレビショッピングの番組製作の仕事をしているリッキーは、販売数の低下で仕事をクビになりそうになっていた。ある日、修行僧のGと知り合い、彼の浮世離れした魅力に感心したリッキーは、彼を番組に出演させる。最初はＧの予想外の行動で大混乱を引き起こすが、Ｇの紹介した商品が大ヒット、一躍人気者になったＧは番組の出演を続けるのだが・・・。

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服や物などには意味は無い

　１９９８年アメリカ作品。監督は『陽のあたる教室』『ロック・スター』などのスティーブン・ヘレク、『４８時間』『ビバリーヒルズ･コップ』などの作品に主演していたエディー･マーフィーの久々のヒット作。修行中の聖人がテレビショッピングの広告塔になるという奇抜なアイディアで、テレビショッピングや、消費重視の社会を風刺し、上質なコメディ作品としての笑いと、啓発、感動を味わえる秀作になっています。エディー・マーフィーと言えば、息をつく暇も無いマシンガン・トークが有名ですが、この作品では、演説のように、ゆったりとした表現力豊かなトークで、以前のマシンガントークより、説得力のある味わい深い語り口調が魅力になっています。また、リッキーとケイトの恋愛がサイドストーリーとして展開、こちらも心地よい感動を与えてくれます。

　日本でもテレビショッピングが一般的になり、かなり身近な話題だと思いますが、物質主義に対して否定的な修行者の価値観をシンプルな言葉で表現しているので、笑いの中にも、ちょっと深いセリフがいくつも出てきて、笑えるだけでなく、人生で何が重要なのかというヒントを見つけることのできる映画になっています。また、自分の利益の為、友人を利用する人間、利用されていると知りながらも、友人の為に尽くす人間など、人間として、何を優先して生きるのか？というテーマも興味深いものがあります。テレビショッピングに限らず、世の中、不要なものがあまりにも多いような気がしますね。

相手のことを想う時、その人はそばにいる

　コメディ映画なので、とにかく笑って楽しめる映画ですが、とても興味深いセリフが多い映画です。特定の宗教を元にした言葉ではなく、哲学的、啓発的なセリフが多く、どの言葉も印象的で、何度観ても新鮮な感動を与えてくれます。『イスに座ってテレビを観て、買い物をして、それで生きてるっていえるのか？』、こんなシンプルなセリフにもハッとする方も多いのではないでしょうか？

 

ケイトは良心に従えと言ってくれたのに

　自分の利益の為にＧをテレビ出演させ、利用し続けるリッキーと、Ｇを修行の旅に戻すべきだと主張するケイトは、お互いに惹かれあいながらも対立し、別れてしまいます。リッキーとケイトは、互いに理解しあう事ができるのでしょうか？

 

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ケリー･プレストン

　ケイト役で出演しているケリー･プレストンは、ジョン･トラボルタの奥様ですが、この作品の他にも『フロム・ダスク・ティル・ドーン』『ザ･エージェント』『ナッシング･トゥ･ルーズ』『ラブ･オブ･ザ･ゲーム』などに出演しています。主演作品は、ほとんどなく、どちらかというと助演女優としての出演が多いですが、この作品では、主演と言っていいほどの重要な役で、彼女の魅力をたっぷりと楽しめる作品になっています。

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