転校生のキャメロンは、初登校の日に、学校一の美人ビアンカに一目ぼれしてしまい、ビアンカをデートに誘おうとするが、ビアンカのの父親は厳格で、デートを禁じていた。人並みにデートもしたい、プロムに行きたいと思っていたビアンカは、父親とケンカになり、父親は、ビアンカの姉のキャットがデートするならビアンカにも許可するという条件付きの妥協案を提案する。しかし、ビアンカの姉のキャットは、学校でも有名な変わり者で男嫌い、ほとんど不可能な条件だった。それを知ったキャメロンは、同級生のパトリックにキャットを誘うように頼むのだが・・・

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　１９９９年アメリカ作品。監督はジル・ジュンガー、出演は、『ロック･ユー！』『ダークナイト』などのヒース･レジャー、『ボーン･アルティメイタム』のジュリア･スタイルズ、『センターステージ』のスーザン・メイ・プラット など。シェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』をベースに、全く性格の違う姉妹の、それぞれの恋愛を描いた学園ラブコメディ作品。

　ヒース･レジャー、ジュリア･スタイルズが主演でアイドル性の高いラブコメディですが、これぞラブコメ！という感じのシンプルで期待を裏切らないストーリーは、ティーンの支持を得て、アメリカで大ヒットしました。日本未公開作品ですが、ヒース･レジャーの出世作として、彼のファンには見逃せない作品だと思います。ハッキリ言ってしまえば、よくある話で、ストーリー的には何のひねりもないんですが、期待を裏切らない素直な展開と、出演者のアイドル的な魅力、観ていて楽しい気分にさせてくれるラブシーンなど、ラブコメのツボを押さえた作品として楽しめます。１９９９年度作品ですが、オープニングタイトルも、映画で使われている曲も、７０年代から８０年代の雰囲気を感じさせ、最近の学園ドラマにありがちな、殺伐とした雰囲気や、イヤミなプチセレブ風の学生が出ていないという点も人気の秘密かもしれません。泣いて笑ってハッピーな気分になれる映画なので、気軽に楽しめるラブコメですが、シェイクスピアの原作らしい深いテーマもあり、ポップでノリのいいＢＧＭも気分を盛り上げてくれます。この作品の主人公と同世代の方には、特にオススメですが、年配の方にとっては、共感できる要素が少なく、使い古されたストーリーなので、新鮮味には欠けるかもしれません。あまりにも意外性の無いストーリーなので、未公開になってしまったのかもしれません。

心は、目が蔑むものを愛しているのだ

　シェイクスピアの原作をベースにしているので、シェイクスピアへの敬意も込められているのか、驚くほど知的なセリフも紹介されています。しかも、シェイクスピアの名言を、教師がラップ風に紹介して、古典文学に興味の無い若い世代でも受け入れやすくしています。古典の名言、哲学者の名言をラップで紹介するというのは、賛否両論あると思いますが、生徒に興味を持って学んでもらえるという点では、名案かもしれませんね。

自分自身の考えを大事にしたいの

　変わり者で有名なキャットは、昔、他人のマネをして後悔してから、自分自身の考え、価値観で生きるようになります。子供の頃は、友達と同じじゃないと不安になり、他人のマネをしながら成長しますが、全員が同じ価値観で生きているわけではないので、無理に他人のマネをして生きるより、自分らしさ、自分の価値観を基準に生きたほうが、楽しいような気がします。

 

 

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