2001年アメリカ作品。監督は、『ペイバック』のブライアン・ヘルゲランド。主演は、『恋のからさわぎ』『ダークナイト』などのヒース・レジャー。中世、主人の急死によって、貴族にしか許されない馬上槍試合に参加した男が、自分の運命を変えていく姿を描いた青春映画。
中世の馬上槍試合という競技に参加する主人公、こういうテーマの映画は、暗くて、埃っぽくて、血なまぐさいイメージがありますが、この作品はコメディ的な要素が強く、70年代のロックの名曲を、うまくストーリーに絡めて作られているので、中世を描いた映画独特の暗さ、陰湿な空気がありません。ストーリーにピッタリなクラッシクロックの名曲をBGMにテンポのいいストーリー展開、恋愛映画として、コメディとして、青春映画としても楽しめる上質の娯楽作品に仕上がっていると思います。ストーリー展開は『ベン・ハー』『グラディエーター』などに似た展開で新鮮味はありませんが、期待を裏切らないという意味では娯楽作品にふさわしい物語かもしれません。気楽に楽しめる作品なので気分転換には最高の作品だと思います。
2008年、28歳という若さで急死してしまったヒース・レジャーの主演作品で、彼の出演作品の中では、アカデミー賞にノミネートされるような大作ではありませんが、彼の魅力を十分に伝えてくれる秀作だと思います。彼の出演作品の中では、『パトリオット』『サハラに舞う羽』『ブローク・バック・マウンテン』などに次いで重要な作品だと思います。女性にとっては、ヒース・レジャーの魅力をアイドル映画として楽しめるというメリットもあります。
人は自分の運命を変えられる
身分が厳しく制限された世の中で、夢を実現する事は容易ではありません。日本でも所得の格差が広がり、裕福な人と貧困層の人では、夢を実現するにも経済的な要素を考えると平等とは言えませんし、一度貧困層に落ち込んでしまうと抜け出すのは大変です。でも、経済的に最悪な状況から這い上がる為には、人並みはずれた努力、試練を経験できるので、人間的には、かなりタフになれるはずですし、苦境を乗り越えてきた人は、再び試練が訪れても、乗り越えられる強さを身につけられると思います。シリアスに考えるような難しい映画ではありませんが、努力すれば、人は自分の運命を変えられる!というセリフは、ちょっと希望を持たせてくれます。