マーティンとエリカ夫妻は結婚１６年目で、１５歳の娘パティーと３人で幸せに暮らしていたが、ある日、マーティンから離婚して欲しいと言われエリカの生活は一変してしまう。平凡ながら幸せに暮らしに満足していたエリカにとって、夫の浮気もショックだったが、突然夫のいない不安定な生活になってしまった事によって、パニックに陥ってしまう。寂しさと混乱した精神状態のため、愛の無い情事を経験したエリカだったが、彼女を本気で愛してくれるソールという画家が現れ、交際がはじまる・・・。

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　１９７７年アメリカ作品。監督は、『ハリーとトント』『ハドソン河のモスコー』などのポール・マザースキー、出演は、この作品でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞したジル・クレイバーグ。女性の自立というテーマを取り上げた先駆的な傑作として有名な作品です。アメリカや日本など、先進国では自立した女性が多くなり、女性の自立は当たり前のようになっていますが、１９７０年代に、こういうテーマを取り上げた作品は異色でした。離婚した女性が直面する様々な問題に関しては、時代を超えて共通点が多く、男性主導の社会の中、男性に依存しない女性の姿を描いた傑作だと思います。

　この作品は、結婚しない女というよりは、再婚しない女と言った方が正しいかもしれません。この作品の主人公エリカは、夫のの浮気によって離婚を経験後、理想的なパートナーとめぐり逢いますが、夫や子供に合わせたライフスタイルをしてきた彼女は、自活の手段を持たず、同棲をためらいます。女性は男性に頼って生きて行くしかないという古い考え方を壊してしまう作品なので、シングルマザーの方にとっては、共感できる要素が多いと思います。この作品に登場する男性のほとんどが、下心丸出しの情けない男なのは、男性の立場からするとはずかしい限りですが、こういう情けない男が多いから、女性が自立の道を歩むのかもしれません。女性にとっては自立への勇気と共感を与えてくれる名作です。

セックス的に？

　不倫を告白した夫に対して、エリカが辛らつに『セックス的に？』と尋ねます。浮気の原因のほとんどがコレだと思いますが、性的な欲望が先行して行動すると相手の人間性ではなく、性的な欲望だけで相手を判断してしまいがちです。単なる性欲の対象として相手に魅力を感じているだけなら、結婚しない方がいいでしょうね。女性にとっては、こういうタイプは最悪だと思います。こういう男と一緒になるぐらいなら、自立した方がいいですよ。

罪悪感からの開放

　自分の犯した罪に罪悪感を持ち、反省するという気持ちは大切だと思いますが、罪悪感によって自分を責め続けると、精神的に追い込まれてしまいますし、前向きに生きて行く事ができなくなってしまうこともあります。積極的に男遊びをしろ！というのは、どうかと思いますが、『罪悪感に縛られないように！』『感情を無理に抑えないように！』など、この作品に登場するカウンセラーの言葉は、なかなか説得力があると思います。

 

ポール・マッカートニーの名曲

　この作品の最も象徴的なシーンはエンディングの場面だと思いますが、エリカが娘と一緒にポール・マッカートニーの名曲を歌う場面は、とても印象に残ります。歌詞の内容とエリカの状況ががマッチしていることと、娘と一緒に歌うことで、気持ちにケリをつけたような爽快感があります。

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　《　検索用　》

ジル・クレイバーグ
アラン・ベイツ
マイケル・マーフィー
クリフ・ゴーマン

 

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