ある西部の町、牢獄に入れられた、ギャンブラー、売春婦、墓堀り人夫、アル中の４人は、たまたま同じ時期に投獄されていただけだが、一緒に町を追放される。他の町を探して荒野をさまよう４人は、通りすがりの男と出会いともに旅することになるが、その男は盗賊で、彼らから全てを奪って去り、４人はあてもなく荒野をさまよう・・・。

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　１９７５年イタリア作品。監督は、ルチオ・フルチ。出演は、『さすらいの航海』『熱愛』などのリン・フレデリック。町を追い出されたならず者たちの放浪と友情を描いたマカロニウエスタン作品。

毒々しく血なまぐさい映像描写でカルト的なファンが多いフルチ監督のマカロニウエスタン作品。この作品は、フルチ監督にしては、あっさりとした映像で、アブラっぽいギトギト感が少なく、紅一点であるリン・フレデリックの魅力が引き立っています。リン・フレデリック観たさに購入したというのが本音ですが、思ったよりは内容も音楽も良く、いい意味で期待を裏切ってくれました。主人公の４人は全て罪人ですが、一緒に旅を続けるうちに友情が生まれ、苦労をして町にたどりつくと、無法者の町でも人情に触れる事ができます。人間味あふれるストーリーとリン・フレデリックの透き通るような美しさを楽しめる秀作になっています。また、この作品の音楽は、日本の名作ドラマ『俺たちの旅』を思い起こさせる７０年代のフォークロックが使われていて、７０年代の音楽、映画を愛する方にとっては、懐かしい心地よさがあると思います。

気のいい連中だ

　無法地帯である西部では、ロクな人生を送れない不遇な男たちが多いにも関わらず、バニーの出産が心配でみんなが集まってきます。酒屋の店員は気前良く酒を男たちにおごり、男たちは生まれてくる命を心配しながら待っています。西部劇なので、ケダモノのような人間も登場しますが、人間の温かさ、ぬくもりを感じさせるストーリーが一番の魅力かも知れません。

死人に誓ってくれ

　大怪我で瀕死の重傷を負っている酔っ払いのクレムが、スタビイとバニーの手を取り『サンドシティに行ったら結婚しろ』と頼むシーンが記憶に残ります。死の直前に、他人の幸せを願っている人間の描写は強烈です。

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ルチオ・フルチ

リン・フレデリック

Lynne Frederick

 

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