2015年日本作品。監督は、『ツレがうつになりまして』の佐々部清、出演は、『居酒屋ゆうれい』の三宅裕司、『男はつらいよ・寅次郎と殿様』の真野響子など。吉田拓郎さんの同名大ヒット曲を元にしたファミリードラマ作品。
監督の佐々部清さんが吉田拓郎の大ファンで、全編にわたって吉田拓郎さんの名曲がBGMに使用されていますが、シリアスな内容の作品ではなく子供から大人まで楽しめるファミリー作品としてうまくまとめられています。悪く言えば、趣味に走りすぎたのか商業的な成功を意識しすぎたのか、吉田拓郎さんの名曲を使用している割には重厚感がありません。吉田拓郎さんを愛するあまり名曲をぎっしり詰めすぎて、メッセージ性の強い歌詞も生かされていないような気がします。吉田拓郎さんの大ファンだった昭和生まれの方には懐かしく楽しめると思いますが、若い方にとっては刺激の少ないホームドラマという印象になってしまうかもしれません。良くも悪くも昭和のテレビドラマの趣があるので、ひねくれた見方をせずに素直に見れば感動作品として楽しめると思います。吉田拓郎さんのコピーバンドとして出演しているガガガSP、次女の歌織役で出演しているAYAKOさんの中の森バンド、岩城晃一さん、モト冬樹さんなど本物のミュージシャンを出演させているので演奏シーンのリアリティは完璧、そして、エンディングでは、吉田拓郎さんの実際のライブ映像まで楽しめます。おじさん、おばさんの為の映画という気もしますが、若い方にとっては吉田拓郎さんの名曲を知る機会になる作品としてオススメできる作品です。ストーリーは、あまりにも予想通りに展開していくので、意外な展開や刺激的で激しい映像などは期待しないで楽しみましょう。
昭和生まれの方、特に、1970年代に青春時代を過ごした方なら、少なからず吉田拓郎さんの曲を聴いていると思います。本作では使用されていませんが、武田鉄也さん主演の『刑事物語』がテーマ曲として使用されていますし、『旅の重さ』という映画では、『今日まで、そした明日から』がテーマ曲になっています。最近では、『パコと魔法の絵本』で、『人間なんて』も使用されていますし、松田勇作さんと中村雅敏さん主演のテレビドラマ『俺達の勲章』の音楽も吉田拓郎さんが音楽を担当していました。『俺達の旅ごっこしたよなぁ』なんてセリフも出てきますし、昭和の時代を知る人でなければ共感できないセリフも多いので、やはり、高齢者向きかもしれません。個人的には、刑事物語のテーマ曲として作曲された『唇をかみしめて』、俺達の勲章のテーマ曲『ああ、青春』、よしだたくろう&かまやつひろしの『シンシア』、あと『流星』『外は白い雪の夜』があれば文句無し。
拓郎の詩は、俺たちのバイブルだった
この作品の根底にあるのは、つまりこういう事ですね。映画のオープニングで疲れた顔のサラリーマンのおじさんがたくさん映りますが、吉田拓郎に影響を受けた世代に対する同朋意識、賛歌という意味もあるような気がします。
もう一つ、何か足さなきゃならないものがある
何かを作るにしても、仕事をするにしても、本当に人を感動させるモノや仕事は、技術だけではなくて特別の感情が込められているような気がします。愛、優しさ、勇気など、物質的なものではなく人間の気持ちが込められていないものには物足りなさを感じてしまいます。
子供達が、親の壁を越えていくことが大切
親の壁を越えることが大人になるという基準なら、その壁が高ければ高いほど大きく成長できたという事になります。親が乗り越えなければならない壁のような人なら、きっと素晴らしい人間になれるんでしょうね。
いつでも一緒にいたいんです。全てを共有したいんです
結婚相手を選ぶ基準はひとそれぞれ色々だと思いますが、結局、いつも一緒にいたいと感じる人をパートナーに選ぶのが一番幸せになれると思います。