南極基地で働くジェリーは、隕石の採取の為に基地を訪れたデイビス・マクラーレン博士と共に探検へ出かけるが、マクラーレン博士が足を滑らせて骨折し、ジェリーも重度の凍傷にかかってしまう。博士とジェリーの治療の為、急遽、小型飛行機で避難する事になるが、基地で隊員たちと暮らしていた犬たちを小型飛行機に乗せる事ができず、犬たちを残し、南極を後にしてしまう。二人のケガ人を移送した後に、犬たちの救助に戻る予定だったが、悪天候の為、飛行機が飛べなくなり、８匹の犬たちは厳寒の南極大陸に取り残されてしまう・・・。

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　２００６年アメリカ作品。監督は『生きてこそ』のフランク・マーシャル、主演は『イントゥ・ザ・ブルー』などに出演している ポール・ウォーカー。実話を元にした日本映画『南極物語』のリメイク作品

　多分、動物好きの方、特に愛犬家の方が観ると激怒する方も多いと思います。動物好きの方にはオススメできません。南極に置き去りにされた犬たちを救いに行く南極基地の隊員の物語ですが、助けに行く以前に、置き去りにするな！まず、この点から怒りが沸いてくると思います。さらに、ハリウッドのリメイク作品なので、犬と人間の関係の描写が浅く、犬がどれほど人間に忠実な動物かという事がイマイチ伝わりにくくなっています。そして何よりツライのは、置き去りにされた犬たちの姿・・・。家族のように愛していた犬を置き去りにするぐらいなら、お前も死ね！という気分になるので、そういう意味では、あまり感動できません。ですが、犬たちを誰よりも愛しているジェリーを演じる ポール・ウォーカーは、なかなかのナイスガイぶりで女性ファンには魅力的だと思いますし、犬のサバイバルシーンも、ディズニー映画らしい明るさがあり、最後のクライマックスシーンは、やはり泣けてくるので、犬たちにあまり感情移入しすぎなければ、それなりに楽しめます。

期待した僕が悪い

　犬を助けに行ってくれるという約束を信じたジェリーは、その言葉を信じて犬を置いていきますが、悪天候という不可抗力があったにせよ、結局、期待を裏切られます。こういう事は、日常生活においてもよくある事なので、教訓にした方がいいかもしれません。人それぞれ価値観や優先事項が違うので、同じ価値観を持つ親友や家族なら重大な事をまかせてもいいと思いますが、価値観の違う人間や、平気で約束を破るような人間には、重大な事を任せたり期待したりしない方が無難でしょうね。犬の方が信用できるという事も多いかもしれません。

 

南極物語（１９８３）

　この作品のオリジナルは、１９８３年度作品の日本映画です。こちらは、リメイク作品より犬たちを置き去りにした隊員の悲壮感が強く描かれていて、重みがあります。置き去りにしたという事実は変わりませんが、もっとリアルな感動を！という方は、日本のオリジナル作品がオススメです。

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