1974年アメリカ作品。監督は、ロバート・アルドリッチ。『トランザム7000』で有名なバート・レイノルズ主演作で、アメリカン・ニュー・シネマの傑作。2005年にはアダム・サンドラー主演でリメイクされています。
自分の名誉の為に、八百長を仕込もうとする刑務所の所長は、腐った体制の象徴です。他のアメリカン・ニュー・シネマの名作と同じように、権力を持たない人間が、権力者に立ち向かう話ですが、チームメイトとの友情や、敵として戦う人間との関係の変化も描き、さわやかな感動を味わえる名作です。はじめて観たのは小学生の頃だったと思いますが、主人公の潔い生き方に、子供ながらに感動し、後ろめたい気持ちで後悔しながら生きるより、ツライ生活でも胸を張って堂々と生きて行く方が、男として納得のいく人生がおくれるという事を教えられた作品です。2005年のリメイク作品に比べると、さすがに映像に古さを感じますが、今観ても、子供の頃に観たときと同じ感動を味わえます。リメイク作品との最大の違いは、ポール・クルーが八百長ゲームに関わった動機ですが、このオリジナル作品の方が人間味のある動機だと思います。
俺にも楽しませろ
コーチとして囚人チームに参加していたスカボローが、フィールドに飛び出していきます。フットボールをプレーできる年齢ではないので、チームメイトは心配しますが、ご老体の献身的なプレーに、囚人チームの士気があがり、ゲームシーンが最高の盛り上がりを見せます。スカボロー本人は、仲間と一緒に、大好きなフットボールをプレイできる喜びで、本当にプレーを楽しんでいるんでしょうが、チームメイトにとっては、高齢というハンディキャップがありながら必死にプレーする姿に、熱い気持ちを感じます。チームプレーのスポーツって本当に感動的ですね。