シウシンの遺骨を埋葬したツォイサンは、故郷へと戻るが、町はすっかり荒廃し、人肉を食べるほど人々の心も病んでいた。町に着いてまもなく、ツォイサンは、犯罪者と間違われて投獄されてしまい、処刑されそうになるが、牢獄で知り合った老人に助けられて脱獄、廃墟に泊まる事になる。廃墟で久しぶりに入浴していたツォイサンだったが、幽霊の気配を感じ外に出ると、白装束の集団に襲われてしまう。そして、その中の一人が、シウシンにソックリだった…

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　１９９０年香港作品。。監督はチン・シウトン、出演は前作『チャイニーズ･ゴースト･ストーリー』にも主演していたジョイ･ウォン、レスリー･チャンなど。若き書生と幽霊の恋愛を描いたラブファンタジー作品。

　一大ブームを巻き起こした『チャイニーズ･ゴースト･ストーリー』の続編ですが、前作で転生を願ったシウシンは登場せず、シウシンにそっくりな女性と主人公ツォイサンの恋愛を軸にした作品になっています。前作ほどの悲恋の感動はありませんが、アクションシーンのスケールは大きくなり、ヤッイップ道士というコミカルなキャラクターが加わった事によってコメディ色が強くなりました。ハッキリ言って1作目ほどのインパクトはありませんし、純愛を描いた作品としての感動もありませんが、民衆を苦しめるような悪政をしている皇帝に反乱を起こすという以外に？マジメなテーマもストーリーの重要な要素になっていて、1作目以上に仏教的、道教的な思想も反映されています。原題が『人間道』というタイトルなので、仏教的な価値観で人間の生き方について描こうとしている意図も感じられます。恋愛的な要素としては、今回ジョイ･ウォンが演じているチュンという女性は、前作のシウシンとは別人なので、前作からの恋愛の続きを楽しみにしている方にとっては、期待外れだと思いますが、ツォイサンに思いを寄せるチュンという女性の恋愛感情、シウシンを忘れられずにいながらもチュンの気持ちを感じるツォイサンの感情の動きが、一番の見所になっています。前作と同様に、恋愛、アクション、コメディが楽しめる作品ですが、後半の偽ブッダとの戦いは、１９７０年代の日本の怪獣映画のような展開になってしまい、イマイチ緊張感に欠け、コメディ色を強くした分、恋愛的な要素が弱くなっているのが残念ですが、香港映画らしいワイアーアクション、カンフーアクションが好きな方や、仏教的な価値観を映画で楽しみたい方には、十分に楽しめる娯楽作品でしょう。

徳が高い人ほど身分を隠す

　徳が高い人は、自分より他人の為に働き、生きていますが、自己主張や欲が無いので、名声を欲したりはしません。本当に徳が高く、人間的に優れている人は、目立つ事を嫌って、意外にひっそりと暮らしているような気がします。

出世を望む俗物とは違う

　ヤッイップ道士は、皇帝の家来に腕を認められますが、名声や出世には全く興味を示しません。出家して修行をしようと志す人間にとっては、出世を望んだり、名声を得ようとする事は、意味がないだけでなく、軽蔑すべき事なのかもしれません。

はかない夢を抱いた・・・、夢がないよりはいい

　人間の人生は、はかなく不確かなものですが、全く夢も希望もない人生よりは、はかない夢でもあった方がいいでしょうね。仏教的な価値観で、世は無常、人間は、貧困、病、死の苦しみから逃れられないと考えてしまうと気が滅入りますが、そんな人生だからこそ、はかない夢が必要なんじゃないでしょうか。

ハンニャハラミタ

　この作品の中で、イン道士が呪文のように唱えているお経は、般若経として知られているもので、漢字では『般若波羅蜜多』と書きます。私も一応、本は買ってあるんですが、なかなか読む時間がなくて、まだ読んでいません。３０代、４０代になり世の無常を感じるようになると、般若経に興味を持つ人が多いようなので、ご存知の方も多いと思います。仏教では最も有名なお経の一つですが、幽霊退治に効果があるのかどうかは？？？です。

チャイニーズ･ゴースト･ストーリー

チャイニーズ･ゴースト･ストーリー３

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