建設会社の社長の娘スジンは、不倫相手と駆け落ちしようとするが失敗し、失意のどん底だった。そんな時、建築現場で働くチョルスと出会い、二人はすぐに恋に落ちるが、スジンの父親とチョルスが知り合いで、チョルスの荒っぽい性格を知る父親は結婚に大反対。何とか父親を説得し幸せな結婚生活をおくるスジンとチョルスだったが、スジンがアルツハイマー病だと診断されてしまい・・・。

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　２００４年韓国作品。監督はイ・ジェハン、出演は、『ラブ・ストーリー』に出演しているソン・イェジンと、チョン・ウソン。日本での韓国映画の興行収入の中で第１位を記録した恋愛映画の傑作です。

　若くしてアルツハイマー病になった妻を、献身的な愛情で支えようとする夫の姿を描いた恋愛映画ですが、数ある韓国映画の中でも、最も泣ける作品かもしれません。悲恋を描いた傑作の多い韓国映画の中でも、本当にボロボロ泣ける映画です。『猟奇的な彼女』『僕の、世界の中心は、君だ』などに比べれば、ほとんど笑えるシーンもなく、映画の後半は、ひたすら泣くだけといった感じです。相手を愛しているからこそ、負担になりたくないと考え別れを決意する妻と、例え自分を忘れてしまっていても、献身的な愛情で妻を守ろうとする夫の姿には、利害関係を全く無視した真実の愛が感じられ、涙が止まりません。荒っぽい性格で暴力的、正しいと思っている事には妥協せずに自己主張する主人公は、私も共感が持てますが、こういう状況になったらどうなのか考えてしまいました。この映画の主人公のように、自分の幸せばかり考えずに家族全員の幸せを考えてくれるような良妻だったら、私も同じように行動したいですね。

　許してやればいいのに・・・

　チョルスは、母親に捨てられ、厳しい師匠の暴力に耐えながら子供時代を過ごしました。自分の子供を捨てるような母親、気分次第で殴りつけるような師匠に対して嫌悪感を持ち、恨むのは当然のことだと思いますが、自分を苦しめた人間、裏切った人間に対して恨みを持って生きると、自分自身が不幸になってしまいます。精神的に、あるいは肉体的に大きなキズを与えた相手を許すのは簡単なことではないと思いますが、許すことによってお互いに苦痛から開放される、そんな事を教えてくれます。

人生は怖いものだ

　結婚したがるスジンに対して、『お前は自信過剰だ』と、チョルスが釘をさします。社長の娘として不自由なく暮らしてきたスジンは、人生について甘く考えすぎているという面があり、人生には様々な予期せぬ試練が、待ち受けている、甘く考えるなというメッセージかもしれません。そして、この言葉は、私たちに向けたメッセージでもあるんじゃないでしょうか。

天がくれた一番大切な贈り物

アルツハイマー病の症状が悪化して、スジンは手紙を残して姿を消してしまいます。手紙にはチョルスに対する愛情の強さが書き綴られていて、チョルスもその愛情を痛感します。泣けるシーンの多い映画ですが、このシーンのこのセリフが一番感動的です。

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チョン・ウソン
ソン・イェジン
ペク・チョンハク

 

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