曲が長くない
元イエスのスティーブ・ハウ(G)、元ELPのカール・パーマー(Ds)、元キング・クリムゾンのジョン・ウェットン(Vo・B)に、元バグルズのジェフ・ダウンズ(Key)というプログレッシブロックの有名アーティストが結成したスーパーバンド。1982年、デビューアルバム『詠時感・時へのロマン』は、全米ナンバー1に輝き全世界で1500万枚以上を売り上げるという大ヒットを記録しました。メンバー全員が有名なプログレッシブロックバンドでの活動していましたが、これほどの大ヒットになるとは、メンバー自信も思っていなかったのではないでしょうか?
バンドの最大の特長は、プログレッシブロックの有名バンドに所属していたメンバーが集まったにも関わらず、曲の大作志向が全く無かった事でしょう。プログレッシブロックのバンドは、スケールの大きな10分、20分という長い曲が、当たり前でしたが、このバンドでは、ポップな曲を3分前後でまとめた曲が多く、ソロプレイなどのプレイヤーのエゴを排除したコンパクトな曲作りに徹しています。『ラジオスターの悲劇』の大ヒットを作った元バグルズのジェフ・ダウンズとジョン・ウェットンのコンビによる、一般大衆受けしやすいポップなメロディを軸にしているので、プログレッシブロックのファンは、かなり失望したと思いますが、1970年代後半のパンクムーブメントの影響で、演奏力重視で長い曲を演奏するバンドは、音楽評論家や、ロックファンに、過去の遺物として酷評された経験から長い曲を作らなくなったのかもしれません。それでも、スティーブ・ハウのギター、カール・パーマーのドラムは、個性を失わず、わが道を行くスタイルでファンを安心させました。
キース・エマーソンを呼んで来い!
エイジアの曲のほとんどを作曲し、バンドの中心人物であったジェフ・ダウンズはバンドの中でもリーダー的な存在になり、ヴォーカルのジョン・ウェットンがすぐに脱退、後任のヴォーカリスト兼ベーシストとして元ELPのグレッグ・レイクが参加しますが、ジェフ・ダウンズの態度に激怒し、こう叫んだという噂がありました。グレック・レイクにしてみれば、長年プログレッシブロックバンドで活躍していたベテランプレイヤーに対して、キャリアの浅いジェフ・ダウンズに大きな態度を取られたのが気に入らなかったのかもしれません。何か笑っちゃいますが、ソングライターとして重要な地位にいたジェフ・ダウンズをクビにするわけにもいかず、結局グレッグ・レイクが脱退します。その後、ジョン・ウェットンが復帰して活動しますが、その後もメンバーチェンジを繰り返し、2008年にはオリジナルメンバーで再結成しています。