1976年アメリカ作品。監督は『フィラデルフィア・エクスペリメント』などのスチュアート・ラフィル、出演は、
ロバート・ローガン、スーザン・ショウ、ホリー・ホルムズ、ハム・ラーセンなど。大都会の生活を捨て、大自然の中の生活に挑んだ家族を描いたドラマ。
家族で楽しめる娯楽作品の傑作です。都会での生活に限界を感じてロッキーの麓で生活をはじめた実在の家族をモデルにした作品で、全世界で大ヒット、日本でも大ヒットし、何度もテレビでオンエアされた人気作品でした。ロッキーの大自然の美しさ、アライグマ、小熊、鹿、ピューマなど可愛い動物たち、そして大自然の中で家族が力を合わせて生きる姿をユーモアを交えて描いたファミリー向け娯楽作品の大傑作。出演者の大げさすぎない自然な演技も好感度が高く、犬、熊、ピューマなどの動物たちの名演にも驚かされます。ユーモアたっぷりのほのぼのとしたファミリードラマとして楽しめるだけでなく、大自然の猛威、野性の動物の危険性などもスリリングに描かれていて、色々な意味で、大人になってから観ても十分に楽しめる娯楽性を兼ね備えている作品になっています。1970年代のさくひんですから、CGなどを使っていないにも関わらず、映像のリアリティは抜群で、リアルタイムで楽しんだ人だけでなく、若い世代の人にも是非観ていただきたい名作です。日本の名作ドラマ『北の国から』のような田舎暮らしの厳しさを描いたリアリティはありませんが、せめて、映画の中で大自然の中での夢の暮らしを楽しみたいという方には最高の作品でしょう。
70年代後半、日本でも光化学スモッグの情報がニュースで取り上げられる事が多かった時代、公害によるぜんそくなどの病気が問題になり、都会の生活に懐疑的になっていた人々に受け入れられた事も大ヒットの大きな要因だったような気がします。今の時代は、光化学スモッグの問題は無いにしても、都会に住んでいても十分な収入が得られない厳しい時代になってしまいました。完全な自給自足でなくても、都会を捨てて田舎暮らしをしてみたいと考えている人にとっては、興味深い作品だと思います。
今の環境は良くない、もう限界だ
公害、都会のストレスなどの最悪の環境に限界を感じたローガンは都会を脱出する事を決意します。全てを環境のせい、他人のせいにするわけにはいきませんが、生きているのが嫌になるほどの環境であれば、勇気を出して転職や、引越しなど環境の改善にチャレンジした方がいいかもしれませんね。私も、都会での生活に疲れて、地方での暮らしを選びました。収入は減りましたが、自然環境にも人間にも恵まれて満たされた気持ちで生きています。
何人が挫折して帰ったと?
大自然の中での自給自足の暮らしを夢見てロッキーにやってくる家族の99%が挫折して都会に帰ってしまうそうです。やはり、大自然の中での生活は、そんなに甘いものでは無いようです。
自然にも心が?
大自然の中に居ると、時々、不思議な感覚になる事があります。自然の優しさ、厳しさ、人間や、そこに住む動物たちを教育し、養っているんじゃないかと感じたりします。大自然とは生命の母であり、心を持っているのかもしれませんね。