平凡な生活を送っていたエミリー・ローズは大学に進学し、充実した生活を送っていたが、ある夜、午前３時に目が覚め焦げ臭い匂いを感じると、突然何者かに押さえつけられるような苦しみ感じ、その後幻覚や幻聴に苦しむようになってしまった。発狂したような状況になる事もあり、最新の医療技術で治療を行なっても全く症状は回復しなかった。エミリーの家族は悪魔の仕業だと考え、地元のムーア神父に悪魔祓いの儀式を頼むのだが・・・。

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　監督は『地球が静止する日』などのスコット・デリクソン、出演は、 『ラブ・アクチュアリー』『プロフェシー』などのローラ・リニーと、この作品で高い評価を得たジェニファー・カーペンター。１９７６年に、ドイツで実際に起こった事件を映画化したホラー作品。

　悪魔祓いをテーマにした作品と言えば『エクソシスト』が有名ですが、ドイツで実際に起きた事件を再現した作品なので、『エクソシスト』よりも現実味があります。他のホラー作品と違う点は、エミリーが悪魔に憑依されたシーンばかりではなく、エミリーが死亡してしまった為、悪魔祓いをした神父が訴えられてしまい、詳細な裁判のシーンまで描かれていることです。この裁判では、キリスト教徒の多い国であっても、悪魔や神という概念が非科学的という事で、裁判では不利な証言になってしまう事が強調されています。神の存在は信じても悪魔の存在は狂信と解釈されてしまい、教会側でさえ証言をためらうのは興味深いですが、法廷シーンが長いので、ホラー映画としては、それほど怖い映画ではありません。主演のジェニファー・カーペンターの熱演により、憑依状態での異常な状況は生々しく伝わってきますが、映画の後半では、元々こういう癲癇体質な人なのかな？という気がしてきて怖さは感じられません。しかし、実話ならではの重みがあり、例え狂人扱いされても、エミリーの為に証言をしたいと願う神父の行動力には感動します。ホラー映画として観るより、実話の映画化として鑑賞した方がいいと思います。

午前３時・・・

　悪魔に狙われている人間に起こる現象が具体的に描かれている点には、新しい発見がありました。午前３時に目が覚めてしまう。そして、何か焦げ付いたような匂いがする・・・。こんな経験がある人は要注意ですね。私の友人にも、どんなに疲れていても午前３時に目が覚めてしまうという人がいたので、ちょっと心配になりました。

 

マリア様の言葉

　この作品の最も異色な所は、悪魔に憑依されることの恐怖を描いているだけではなく、主人公が聖母マリアに声をかけられるという点です。聖母マリアに問いかけられたエミリーは、この世に留まるかどうか選択することができました。

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