ニューヨークの下町の警官チャーリーは、お人よしで住民に愛されていた。ある日、チャーリーは、食堂で食事を済ませた後、チップを払うお金が無い事に気付き、ウェイトレスのイヴォンヌに宝くじが当たったら山分けしようと約束する。宝くじの当選発表の日、チャーリーの持っていた宝くじは、なんと４００万ドルの当選番号だった。彼は、約束を守ってイヴォンヌに２００万ドルを分け与えるのだが・・・。

映画見るなら　⇒スカパー！おまかせプラン

 

　１９９４年アメリカ作品。監督は『ドン・サバティーニ』などのアンドリュー･バーグマン、出演は、『シティ･オブ･エンジェル』『ノウイング』のニコラス･ケイジ、『ゴッドファーザーPART�V』『リトル･ブッダ』のブリジット･フォンダなど。宝くじで大金を当ててしまった下町の警官の実話をベースにした感動の人間ドラマ。

　正直者はバカを見るのが当たり前、という現実を嫌というほど思い知らされている方も多いと思いますが、この作品では、正直者、善良な人間が報われるという意味でハッピーな気分にさせてくれる名作です。しかも、映画用に脚色されているとはいえ実話をベースにしているので、正直に生きていけばいつか報われる日が来るかも知れない！と希望を与えてくれます。お人よしの警官役に個性派俳優ニコラス・ケイジ、幸薄いウェイトレス役にブリジット・フォンダという親しみやすいキャラクターを起用した事によって、実話の真実味が増しています。特に、主人公の警官チャーリーを演じるニコラス･ケイジは、本当にハマリ役。近所に住む住人たちとチャーリーの交流シーンでは、チャーリーのお人よしの人柄、人間的な魅力が十分に表現されていて、こんな人と友達になりたい！と思わせてくれます。派手な作品ではありませんが、見終わった後にささやかな希望と幸福感、安堵感を与えてくれる作品です。

　たまにいますよね、こういう人。自分の事より他人の事を考えてばかりで、気の毒なほどの善人なのに、本人は当たり前の事をしているだけと謙虚な人。本当は、こういう人こそ幸せになるべきなのに、人に利用され、騙されて経済的にはドン底だったり、貧乏クジばかり引かされてしまうような事が多いような気がします。たまには善人にいい事があってもいいだろ！そんな気持ちを満たしてくれるので、何だかホッとさせてくれるんです。

約束を守っただけだ、誰でもできる

　お人よしのチャーリーは、２００万ドルものお金を知り合ったばかりのウェイトレスにあげてしまいますが、本人は根っからの善人で当たり前の事をしただけと思っています。人を騙したり、平気で約束を破る人間が多い現代では、当たり前の事が出来ない人間が多くなっているんですね。

君さえいれば、何もいらない

　ありがちなセリフですが、ホントにこういう事ですよ。貧乏しても逆境にあっても、この人といるだけで幸せ！と感じられる人に出会えれば、人生は成功だと思います。

 

スタジアムでの休日

　欲の無いチャーリーは、地下鉄で大勢の人に切符を買い与えたりして大盤振る舞いしますが、子供たちのためにスタジアムを貸切って野球を楽しむシーンが最高です。子供たちの喜ぶ顔が忘れられません。