ニューヨークにある芸能専門学校には、音楽家、ダンサー、役者を目指す多くの若者が希望を胸に入学してきている。抜群の歌唱力があるが、有名になる為に役者の道も考えているコーコ、現代的な音楽の作曲能力があるブルーノ、演劇科に通いながらコメディアンを目指すラルフなど、それぞれの夢に向かって専門学校での４年間を過ごしていくが、家庭の問題、才能の限界など、様々な試練が彼らを待ち受けていた・・・。

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　１９８０年アメリカ作品。監督は『ミッドナイト・エキスプレス』『ザ・ウォール』などのアラン・パーカー、主演は、この映画の主題歌を歌っているアイリーン・キャラ。１９８０年度作品ですが、１９７０年代の雰囲気が強く出ている青春映画の傑作です。映画と共に、主題歌も大ヒットしました。

　ニューヨークの芸能学校を舞台に、音楽、演劇、バレーなど様々なショービジネス界で成功を夢みる青春映画ですが、よくありがちな青春サクセス・ストーリーではなく、７０年代のアメリカン・ニュー・シネマのような現実の厳しさ、リアリティのある試練に直面する主人公たちを現実的に描いているという点で、特別な存在感のある映画です。さすがに、今観ると映像的に古さを感じますが、作品に込められたメッセージ、哲学感などは、普遍的な価値があると思います。ミュージシャンになりたい、役者になりたいという夢を持っている方には、最高の教科書になると思います。ただし、ちょっと残酷なほどリアルな世の中の現実が描かれているので、サクセスストーリーを観て気分を盛り上げようと思っている人はパスした方がいいと思います。

後は自分次第

　この作品をはじめて観た時は、世の中の厳しい現実にショックを受けましたが、２０年以上経った今観てみると、厳しい世の中の現実、家庭環境などだけではなく、自分の行動自体が試練を起こしてしまう事に気づきます。自分の事ばかり考えて生きていたり、エゴによる怒りで自滅してしまったり、誘惑に負けてしまったり、あるいは努力が足りなかったり・・・。世の中の差別や、家庭環境に翻弄される人も少なくはないと思いますが、他人のせいにできない自分自身の問題もあるんじゃないでしょうか。

魂の宇宙での輝きは、この世に尽くした重さによる・・・

　んー凄いセリフですね。これほど哲学的なセリフが出てくる青春映画って、他にはないと思います。ボランティア活動で多くの人の助けをしている人、世の中の為に働いているような人、あるいは、音楽や演技で世界中の人に希望を与えているような人は、有名、無名に関わらず、宇宙の中で、ひときわ輝く魂を持っているんでしょうね。

 

今日は街角だが、明日はスターだ

　作曲家を目指すブルーノの父親が、タクシーに取り付けたスピーカーで、ブルーノの曲を大音量で流すと、芸能学校の生徒たちが通りに飛び出して踊り始めます。ショービジネスの世界の厳しさを痛感させられるようなシリアスなドラマの中で、最も明るい場面であり、映画ファンにとっては忘れられない名場面です。

 

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アイリーン・キャラ
リー・キュレーリ
ローラ・ディーン
アントニア・フランチェスキ
ポール・マクレーン

 

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