近未来。世界を支配できるほどの巨大企業となったアンブレラは、地下の研究施設でバイオ兵器を開発していたが、開発中の有害なウィルスが、会社内に漏れてしまう。研究所を管理しているコンピュータは、外部への伝染を防ぐため研究所を完全閉鎖した為に、多数の社員が犠牲になり、調査のために特殊部隊が送り込まれる。特殊部隊のメンバーは、研究所の出入り口に倒れていたアリスという女性を発見。彼女は記憶を失っていたが、特殊部隊のメンバーと共に、研究所内の調査に参加する事になる・・・。

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　２００２年イギリス・ドイツ・フランス・アメリカ合作。監督はポール・W・S・アンダーソン、出演は『フィフス･エレメント』『ミリオンダラー･ホテル』のミラ・ジョヴォヴィッチ、『S.W.A.T.』『ワイルド･スピード』のミシェル・ロドリゲスなど。人気ゲームソフト『バイオハザード』を元にしたアクション・ホラー作品。

　大ヒットしたゲームをテーマに映画化された作品のほとんどはコケていますが、この作品は、出演者の魅力もあり、大ヒット。ゲームファンはもちろん、ゲームを知らない方でも楽しめるホラー映画になっています。いわゆるゾンビ映画で、ストーリーはシンプルですが、世界に大きな影響力を持つ巨大企業が軍事利用を目的に生物兵器を開発するとか、その陰謀を暴こうとする人間が企業に潜入するなど、ちょっと現実味がある設定がストーリーに取り込まれていて、近代型のゾンビ映画というスタイルになっています。何と言っても最大の魅力は、まるで宇宙人のようなミラ・ジョヴォヴィッチの存在感ですが、男勝りでタフな女性隊員レインを演じているミシェル・ロドリゲスの好演も印象に残ります。密室型で物語が進行していき、回想シーンも森の中だけなので、スケールの大きい作品ではありませんが、迫りくるゾンビの恐怖や、セキュリティシステムのワナなどは面白い工夫がされていて見ごたえがあります。また、アリスを演じるミラ・ジョヴォヴィッチの、見えそうで見えない微妙なセクシーショットは、男性ファンにとっては特に魅力的だと思います。ちょっと残念なのは、後半に登場する突然変異したゾンビの動きが鈍く、中途半端な怪獣といった感じで迫力に欠ける事です。このゾンビに迫力があれば、最後まで緊張感を失わずに楽しめたような気がします。

軍事的な利用で、莫大な利益を生み出す

　現代社会では、軍事産業が大きなビジネスになり、先進国で作られた武器、兵器が莫大な利益を生み出しています。軍事的な特許技術を開発すれば、莫大な利益を得られます。この作品に出てくるアンブレラ社のような利益至上主義の企業が、とんでもない兵器を開発してしまうと、本当に人類の存亡に関わる事態に発展してしまうかもしれません。作り話として笑い飛ばせないような気がします。

あなたにキスしたい

　特殊部隊のレインは、ゾンビに噛まれてしまい、絶命寸前。ゾンビになる前に頭を打ちぬかなければ、自分たちも犠牲になってしまうという状況ですが、アリスは、力を合わせて生き延びてきた仲間のレインに、強い友情を感じている為、彼女に銃を向けるのが辛そうです。苦労を共にしてきた仲間を殺さなければならないという究極の選択に揺れるアリスの表情が印象的です。

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シリーズ化されましたが・・・

　本作の大ヒットによってシリーズ化されましたが、２作目以降も低予算のままで、やたらにＣＧを多用した作品になってしまい、本作ほどの完成度の高さは維持できませんでした。

 

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