事業に失敗して多額の借金を抱えてしまった照川祥子は、自殺しようとバリ島にやって来た。崖から飛び降りようとした時に、リュウという日本人に声をかけられて自殺を思いとどまり、バリで大富豪となったアニキと呼ばれる日本人の元で勉強することになる・・・。

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　２０１５年日本作品。監督は、『ボックス！』の李闘士男、出演は、『海街Diary』の堤真一、『クラマーズ・ハイ』の尾野真千子、『ウォーターボーイズ』の玉木宏など。バリで大富豪になった実在の日本人をモデルにしたヒューマンコメディ作品。

　大阪出身で、関西人を描かせれば右に出る者はいない李闘士男さんが監督をしているので、関西弁のマシンガントークや人情味溢れる物語が楽しめるコメディ作品になっています。主演の堤真一さんも関西出身で自然な関西弁で、共演の尾野真千子さんとの相性も抜群で絶妙な関西テイストで描かれています。ヤクザに間違われそうな悪趣味なファッション、デリカシーの無い振る舞いなどが大げさに描かれていますが、コメディなのでいいのかもしれません。一方、玉木宏さんが演じるリュウは洗練されたオシャレなファッションでまとめてあります。好みじゃない、全く魅力を感じないなど言われて、女として見てもらえない微妙なヒロインを演じる尾野真千子さんも完璧なハマリ役。堤真一さんとのボケ、ツッコミのやりとりも完璧です。そして、大富豪になった主人公がバリの人への恩返しの為に事業を続ける姿、名言の数々に心が癒されます。堤真一さん演じる主人公の顔が怖すぎる事と、終始ボケ、ツッコミが続きセリフが多すぎて疲れるのが難点ですが、笑って楽しめるだけでなく生きるヒントを得られるお得な作品だと思います。 恋愛の要素は無いので恋愛映画が好きな方には向きません。コメディとして、気分転換する作品として楽しみましょう。

　処世術みたいなものもあれば、人生訓のような言葉もあり、色々と考えさせられるセリフの多い作品です。すべてに共感できるわけではありませんが、いい言葉が多いと思います。個人的には地位や名声、財産に興味は無いので処世術や成功する秘訣のような言葉に興味がありません。でも富を得ることによって、他人を経済的に援助できるという点に関しては、お金持ちも持っているお金の使い方によっては人を幸福にできるんだなと感心しました。お金をばらまくだけでなく、仕事の技術を身につけられるように訓練するという点が特に素晴らしいですね。世の中のお金持ちが、みんなこの映画の主人公のように考えてくれればいいんですが・・・。

人を助け、助けられ

　自分のした事はいつか自分に帰ってくると思います。他人を助ければ、いつか自分が困っている時に、きっと誰かが助けてくれますよ。

子供の笑顔って見てるだけで幸せになる

　世の中で一番美しいものの一つでしょうね。自分の子供でなくても、子供の笑顔を見ると元気になれますね。子供が笑顔で居られるように頑張ろうという気持ちになります。

あいつらはみんな家族や

　血縁の家族だけでなく、友人や仲間を家族と考えて生きられるなら、こんな幸せな事はありません。血がつながっていなくても強い絆で結ばれていれば家族ですよね。

神様は頑張った人を必ず見ているんですよ

　努力しても苦労が報われないと感じている人も多いと思います。要領のいい人だけが得をしていると感じる事もあるでしょう。でも、完全に公正な神様は、あなたの努力を決して忘れたりはしませんよ。このセリフに出会えただけでも、この映画は価値があると思います。