１９０４年。ロシア皇帝ニコライと皇后アレクサンドラとの間に、皇太子アレクセイが誕生するが、アレクセイが難病に病にかかっていることが分かり、、ニコライとアレクサンドラは心を痛めていた。そこに怪僧ラスプーチンが現れ、不思議な力でアレクセイの命を救った事から、アレクサンドラはラスプーチンに絶大な信頼を寄せるようになるが、ラスプーチンは、皇帝の執政までをも操るようになる。そして、貧困にあえぐ国民からの反発が強くなり、ニコライ皇帝の立場は、どんどん悪化して行く・・・。

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　１９７１年アメリカ作品。監督は『猿の惑星』『パピヨン』などのフランクリン・J・シャフナー、１９７０年代に日本でも人気のあったリン・フレデリックが出演しています。帝政ロシア最後の王朝ロマノフ家滅亡の悲劇を描き、ロシア革命を描いた映画というよりは、皇帝の側からみた王朝の滅亡というストーリーになっているので、独裁者による政治が嫌いな人にとっては、どうでもいい映画かもしれません。アメリカ映画ですが、ロシアの自然の描き方は秀逸で、政治的な要素を除いて考えれば、ロシアを舞台にした壮大なドラマとして楽しめると思います。

　独裁者としてロシアの国民を苦しめ、怪しげな僧に政治の相談をするようでは、処刑されても仕方がないでしょう。このあたりは同情の余地はほどんどありません。ただ、皇帝の娘たちは、裕福な生活はしていますが、ごく普通の少女であり、父親の責任を一緒にとらなければならないというのは、悲劇としか言いようがありません。この作品で最も心に残るのは、未来を奪われた娘たちの悲しみではないでしょうか。

自業自得か運命か？

　日本でも、占い師などに相談する政治家いるそうですが、これは恐ろしい事です。権力者が占い師に頼ってしまうと、占い師が政治的に重要な決断の権限を持つ事になります。この作品の主人公である皇帝は、ラスプーチンという僧によって政治を操られて窮地に陥ります。自分の悪政によって国民に裁かれるなら自業自得と言えますが、占い師もどきに自分の未来を変えられてしまったとなると、これは運命だったとあきらめるしかないですね。個人レベルで宗教を信じるとか占ってもらうなら、かまいませんが、権力者という立場にある人間が、怪しい僧や占い師に政策をまかせると、全国民に影響が出てしまいます。コレだけは、本当に恐ろしいですね。

リン・フレデリック　

　昔、日本でも人気のあったリン・フレデリックの出演作品です。皇帝の娘の一人という役なので出演シーンは少なめですが、皇帝の娘という上品で清楚な役柄で、天使のようなリン・フレデリックの美しさを観る事ができます。ＤＶＤは廉価版も発売されているので、かなり安く購入できます。

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