1953年アメリカ作品。監督は『ベン・ハー』のウィリアム・ワイラー、主演は『マイ・フェア・レディ』のオードリー・ヘップバーン、『オーメン』のグレゴリー・ペック。王女と新聞記者の恋を描いた恋愛映画の傑作。オードリー・ヘップバーンの人気を決定的にして古典映画の傑作。
映画ファンを自認している方なら誰もが知っている名作でしょう。本作を観た事の無い人でもポスターや広告などで本作でのオードリー・ヘップバーンの写真ぐらいは見た事があるはずです。何と言っても本作の最大の魅力はオードリー・ヘップバーンの唯一無二のキャラクターです。彼女の姿を明るくて清楚な理想の女性像として憧れる男性ファンも多いと思います。コメディタッチの作品なので娯楽作品として何度でも楽しめる作品ですが、年をとってから観ると別の魅力も味わえます。若い頃は泣ける作品という認識はありませんでしたが、ジジィになってから観ると、泣ける場面も多くなります。何度でも楽しめる作品なので、時間を置いてから観直してみても楽しめると思います。あんまり古い映画はヤダなとかモノクロ作品は苦手という人にも一度は観て欲しい作品です。
オードリー・ヘップバーンは本作の他にも大ヒット作品に恵まれてハリウッドを代表する実力派女優として評価されていますが、晩年はユニセフの仕事に身を捧げていたそうです。女優なので自分とは全く違う人格の人間も演じるでしょうが、本作では、慈善活動に身を捧げるような心の美しい女性だからこそ、表情に人間性が現れて魅力的な笑顔になるんでしょうね。そんな彼女の内面の美しさを感じ取って日本の男性にも絶大な人気があるんだと思います。私もジジィになってからは、内面から出てくる美しさに敏感になり、ただ外見が美しい女性には魅力を感じなくなりました。オードリー・ヘップバーンのような女性がパートナーだったら最高でしょうね。
どうせ、叶わないわ
努力してもどうにもならない事や変えられない事もあります。生まれた場所や家を変えるわけにはいきませんし。宿命というか本人の意思や努力では変えられない事は死ぬまで続きます。この作品の主人公も王女として生まれた境遇、義務から逃げることはできません。人が羨むような家柄や立場も本人にしてみれば窮屈なだけかもしれません。貧乏で家側が悪くても逆に自由に生きられるかもしれません。