世界制服を目論む秘密結社スペクターは、ソビエト連邦の幹部を仲間に引き入れ、イギリス諜報部のジェームズ・ボンドの暗殺を計画していた。スペクターの一員となった元ソ連の高官クレッブは、ソ連の暗号解読機をエサに、ソ連の工作員を利用してボンドをおびき寄せる事に成功するのだが・・・。

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　１９６３年イギリス作品。監督は『クリスマス･ツリー』のテレンス･ヤング、出演は『レッド･オクトーバーを追え！』『小説家を見つけたら』の ショーン･コネリー、『アルデンヌの戦い』のダニエラ･ビアンキ、『スティング』のロバート･ショウなど。イギリス諜報部のスパイであるジェームズ･ボンドの活躍を描くスパイアクションシリーズの第２作。

　スパイ映画の定番作品として今でもシリーズが続いている００７の初期の傑作です。主演のショーン･コネリーと同等の存在感で高い評価を得たロバート・ショー、歴代ボンドガールの中でも最も人気のあるダニエラ･ビアンキが出演しているので、出演者のキャラクターにもインパクトがあり、６０年代の００７シリーズの中では、飛びぬけて評価の高い作品です。スタイリッシュでハンサムなジェームズ･ボンドを演じているのは、近年、演技力で評価が高まり絶対的な存在感を示しているショーン･コネリー。この作品では、古き良き時代のスタイリッシュなプレイボーイを、自然な演技で演じ、ジェームズ･ボンドのイメージを決定付けました。また、００７の歴代ボンドガールのファン投票で、必ず１位にランクインするダニエラ･ビアンキの美しさは、彼女の美しさだけでも観る価値あり！と思わせるほど際立っています。かなり古い作品なので、スパイが携帯する秘密兵器もアナログ感があり、往年の映画ファンの方には懐かしい作品だと思いますが、ソ連との冷戦という時代背景は、若い世代の方にとっては実感しづらく、かなり映像が古いためリアリティのある作品として楽しむのは難しいかもしれません。キャストの魅力、ストーリー展開の面白さ、アクション映画迫力など、完成度の高い秀作ですが、若い世代の方にとっては、スパイ映画のリアリティを楽しむというよりは、クラッシック作品の名作として割り切って鑑賞したほうがいいでしょう。

　美人でスタイルがいいというのはボンドガールの最低条件ですが、この作品のボンドガールであるダニエラ･ビアンキは、知性とエレガンスも感じさせる特別な存在感があります。キャスティングが最後まで難航し、オーディションではなくスカウトで選ばれたというだけあって、歴代のボンドガールの中でも際立った美人です。ダニエラ･ビアンキを観るだけでも十分に価値があると思います。

友達じゃないか

　諜報活動に協力するケリムは、ボンドの友人です。仕事上の仲間というだけでなく、プライベートでも親友同士という設定は、古き良き時代を感じさせます。仕事とプライベートはまったく別！と割り切っている人が多くなった現代では、懐かしささえ感じてしまいます。

口は禍の門

　余計な事を言うとトラブルになるという意味だけでなく、女性の口をトラブルの象徴としているようなユーモアが感じられます。口から出てくる余計な言葉もトラブルの元ですが、男性にとっては、セクシーな女性の口元の魅力もトラブルの原因になる事が多いですね。

６０年代の００７シリーズ

　本作でのボンドとケリムの関係が象徴しているように、６０年代の００７シリーズには、人情が感じられますが、世界的に混乱期だった６０年代の作品には、ハッピーエンドで終わらない『女王陛下の００７』など個性的な作品が多く、独特の雰囲気が感じられます。

 

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