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四月物語
 
April Story

●監督
岩井俊二

●キャスト
松たか子
田辺誠一
藤井かほり

■ ストーリー ■

 
 東京の大学に進学する為に卯月は、北海道から上京して独り暮らしを始める。おとなしい性格の彼女は、友人のさよ子に誘われて無理矢理フライフィッシングに入部させられてしまう。買い物をしたり、映画を観たりして平凡な学生生活をおくる卯月だったが、大学の近くにある書店に通い続けている。その書店には、卯月が高校の頃から想いを寄せていた山崎先輩が働いていたのだが・・・。

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■ レビュー ■


 1998年日本作品。監督は『ゴースト・スープ』『リリィ・シュシュのすべて』の岩井俊二 、主演は、『ジヌよさらば〜かむろば村へ〜 』の松たか子、『ハッピーフライト』の田辺誠一。好きな人のそばに行きたいと願い、それだけで東京の大学に入学した少女を描く恋愛映画。

 67分という短い上映時間の作品ですが、地方の高校から東京の大学に進学する女の子の一途な恋愛を描いた秀作です。地方から都会に出て新生活をはじめた経験のある方なら共感を持てるシーンが多い作品でしょうし、自分の事のように懐かしさを感じる事の出来る作品だと思います。ドラマティックな展開も派手な演出も無い地味な作品で凄く感動するというほどではありませんが、主人公の一途な恋愛感情をじっくり描き、観終わった後に、恋愛の幸福感を分けてもらえるような名作です。地方から東京に出てくると、まず田舎者のコンプレックスと言うか、とにかくバカにされないように背伸びしたがる人が多いのですが、この作品の主人公は、派手に遊んだり飲み歩いたりするようなタイプではなく、読書や映画鑑賞が趣味という大人しいタイプというのも好感が持てます。この作品を観ると、片思いでも誰かを本気で愛している時が、人間一番幸せなんだなと、あらためて痛感させられます。恋愛映画と言っても、号泣するような盛り上がりはありませんし、誰にでもオススメの恋愛映画の名作とは言えませんが、誰かに片思いしている人、あるいは、誰かを好きになる事の喜びを忘れてしまっている人には特にオススメの作品です。

 この作品は、とにかく松たか子さんの魅力と岩井俊二監督のセンスで成り立っています。岩井俊二監督ほど女性の心理を丁寧に描ける監督さんは珍しいと思いますが、松たか子さんが、監督の意図を繊細に演じきっているのが、とにかく印象的です。個人的には、松たか子さんのファンではありませんが、この作品での松たか子さんは本当に魅力的です。こんな風に愛されたら、どんな男でも惚れてまうやろ!って感じですね。特に、書店での落ち着きの無い視線や、傘を借りるシーンの笑顔なんて日本映画史に残る名シーンだと思います。赤い傘を持ってのエンディングシーンの美しさも心に焼きつきます。

 私は、個人的にこの作品のロケ地になっている東京都国立市に縁があり、国立の風景が懐かしいという意味でも楽しめました。東京でバンド活動をしていた時に、ヴォーカルが国立在住で、国立にあるライブハウスにも出演していましたし、国立の会社に荷物を運ぶ仕事をしていた事があって、この作品の冒頭で出てくる桜並木の辺りで休憩時間に昼寝してたり、思い出の場所が作品の中に出てくるという意味で特に思い入れのある作品です。それと、書店ではありませんが、私も好きな子がいる店に通っていた事があるので、主人公の気持ちに共感できるという意味でも特別な思い入れがあります。私は、見事にふられましたが、好きな子のいるお店に行く時の心のときめきは今でも忘れられません。

片思いだけど・・・

 誰かに告白して、相手も自分の事が好きだった!というのは理想的ですが、実際問題、世の中には片思いの方が圧倒的に多いはずです。でも、最初は片思いでも、本当に真剣に誰かを愛して告白すれば、相手も、その愛の強さに振り向いてくれるかも。何にしても行動しないといけませんが・・・。



覚えていますか?

 卯月は、憧れの先輩が勤めている本屋へ何度も足を運びます。やっと先輩が自分に気づいてくれた瞬間の卯月の表情が印象的です。

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DVDには特典映像あり

 作品中で、主人公の卯月が映画館で鑑賞する『生きていた信長』という映画は、この作品のオリジナル作品で、DVDには、この映画の完全版が特典として収録されています。

 

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