サンフランシスコ警察のハリー・キャラハンは、マフィアの大物ジャネロの逮捕に貢献しマスコミに注目されていた。そんなある日、人気ロックスター、映画評論家などの有名人が次々に殺される事件が発生する。捜査を進めて行くと、ある映画監督が、有名人の死亡予想ゲームをしていた事が判明、死亡予想リストに載った有名人が、ホラー映画の殺害シーンと同じ方法で殺されていたのだ。しかも、そのリストには、ハリー・キャラハンの名前も載っていた・・・。

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　１９８８年アメリカ作品。監督は、『ダーティーファイター・燃えよ鉄拳』でもクリント・イーストウッドと組んでいるバディ・ヴァン・ホーン。主演は、このシリーズでおなじみのクリント・イーストウッド、『死にゆく者への祈り』『レ・ミゼラブル』などのリーアム・ニーソン、『グリーン・マイル』のパトリシア・クラークソン、さらに『マジェスティック』のジム・キャリーも出演しています。シリーズ５作目で、このシリーズの中で最も評価の低い作品かもしれませんが、現在有名俳優として活躍しているリーアム・ニーソン、ジム・キャリーなどの若き日の姿が楽しめますし、シリーズ中最もユーモアのある作品で笑えます。音楽はアメリカのハードロックバンド、ガンズン・ローゼズの曲が使用されています。

　シリーズ５作目という事で、開き直っているのでしょうか、かなりコメディ的な要素が強くなり、１作目のような重厚感はありませんが、クリント・イーストウッドの圧倒的な存在感は健在ですし、コメディ映画として考えれば楽しめます。ハリーと、彼の上司や、パートナーとのやりとりは笑えますし、マスコミに対する辛らつなブラックジョークなは、パパラッチなどの取材攻勢で悩んでいるハリウッドスターにとっては快感だと思います。他にも映画業界のパロディ、ロックスターのパロディと考えられるシーンもあり、犯罪ドラマの謎解き、スリルを楽しむ映画という感じではありません。そして、ロックファンの為のお楽しみとして、この映画の製作時期に世界的にブレイクしていたロックバンド、ガンズン・ローゼズの曲の使用と、メンバーの出演というオマケもついています。まだ無名だった頃のリーアム・ニーソンや、ジム・キャリーが出演している貴重な映像という点でも価値があります。

ロックミュージシャンを使えば・・・

　映画監督が、ロックミュージシャンを映画に使えば、ファンが観に来るし、ビデオも売れる！と語るシーンがありますが、ショービジネスの本音を聞けたような気がします。実際に、この作品ではガンズン・ローゼズが出演しているという事で、ロックファンにも注目されました。

暇だから、悪いことを考えるんだ

　この作品の中で一番笑えるのが、刑務所に収監されているマフィアのボスであるジャネロを、ハリーが訪ねるシーン、ジャネロの手下に狙われてウンザリしているハリーが、ジャネロを脅す場面は、笑えるだけでなく、興味深いセリフに納得させられます。私の知人にも、失業してヒマがあると、犯罪を考えたり、自殺を考えたりする人間がいます。人間ヒマだと、ロクな事を考えないんですよね。

他人の悲しみを撮るな！

　ロックスターが死亡し、その恋人が取り乱すシーンをマスコミのカメラが追いかけるシーン。他人の悲しみを考えず、仕事優先でカメラを向けるマスコミに対してハリーの怒りが爆発します。カメラを投げつけて壊すシーンでは、マスコミ嫌いの人が拍手を送ったんじゃないでしょうか？明らかにマスコミ批判の姿勢が感じられます。マスコミも芸能人のスキャンダルにばかりを追うのではなく、諸悪の根源である政治家の不正などの追求に本腰を入れてくれれば、こんな批判はされないのでしょうけど・・・。

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クリント・イーストウッド
パトリシア・クラークソン
エヴァン・Ｃ・キム
リーアム・ニーソン
ジム・キャリー

 

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