１９５１年、ハリウッドで脚本家をしているピーター・アプルトンは、赤狩りの対象となり、共産主義者と決めつけられてしまい、ハリウッドでの仕事も暗礁に乗り上げてしまっていた。精神的に不安定になったピーターは自動車事故で川に転落、ローソンという町に流れつき、その町の住人に助けられるが、ピーターは事故の為に記憶喪失になってしまう。ローソンの町の人々は、ピーターが第２次大戦中に行方不明になったルークにそっくりだった為、ルークが帰還したと勘違いし、町中で歓迎する。記憶を失ったピーターは、ルークとしてローソンの町で生活をはじめ、ルークの恋人だったアデルに恋してしまうが、ある日、脚本家だった自分の記憶がよみがえる・・・。

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　２００１年アメリカ作品。『ショーシャンクの空に』『ミスト』などの名作を作ったフランク・ダラボン監督の作品で、コメディ専門の個性派俳優として人気のジム・キャリーが、はじめてシリアスな役を演じた事でも話題になりました。『ショーシャンクの空に』『ミスト』といった大ヒット作に比べると、赤狩りの時代のハリウッドの脚本化が主人公で、地味な作品ですが、フランク・ダラボン監督の作品の中で、最も感動できる作品かもしれません。

　感動しました！私はフランク・ダラボン監督が大好きなんですが、中でもこの作品が一番好きです。映画館を再建するシーンでは、映画ファンの気持ちを見事に描いているという点で、『ニュー・シネマ・パラダイス』を思い起こさせますし、５０年代のアメリカ人の寛大さ、やさしさには本当に感動します。フランク・ダラボン監督は、この作品で５０年代の人々を描くことによって、他人に配慮できる優しい気持ちを失った現代人にメッセージを送っているのかもしれません。

僕が命懸けで守ろうとした国は、こんな国ではない

　共産主義者であるという嫌疑を晴らすために開かれた公聴会で、ピーターがアメリカについて語るシーンは、この映画のハイライトの一つです。民主主義を守る為戦争で亡くなった若者や、その遺族の気持ちを代弁する事によって、赤狩りによって、アメリカの自由が失われ、魔女狩りのように思想が弾圧されたアメリカを痛烈に批判しています。多くの人の命、遺族の悲しみによって国家が成り立っている事を痛感させられます。

赤狩りとは？

　ロバート・レッドフォード、バーブラ・ストライザンド主演の名作『追憶』でも描かれていますが、旧ソビエト連邦に対するヒステリックなほど反発から、共産主義者や、リベラルな発言をする有名人に対して、まるで魔女狩りのような追及があったようです。共産主義者または、共産主義に賛同するような思想を持っている人は、犯罪者扱い、言論、思想の自由がなくなってしまうような暗黒の時代が、自由の国アメリカ合衆国にもあったようです。

●ショーシャンクの空に

●グリーンマイル

●マジェスティック

●ミスト

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