少年アイスホッケーチームのコーチとして、見事にダックスを優勝させたゴードンは、自らも再びメジャーに挑戦するため、マイナーリーグで選手として復帰して活躍するが、試合中に重傷を負い、失意のうちに故郷へ戻ってきた。そんな彼に、アメリカ代表のアイスホッケーチームのコーチに就任して欲しいという依頼が届き、ダックスの面々を中心にチームを結成、個性的なメンバーでアメリカの実力を証明しようとするのだが・・・。

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　１９９４年アメリカ作品。監督はサム･ワイスマン、主演は、『ブレックファスト･クラブ』『ボビー』のエミリオ･エステヴェス。アイスホッケーチームの少年たちと、コーチの交流を描いて大ヒットしたスポーツコメディ『飛べないアヒル』の続編。

　１作目『飛べないアヒル』に感動した方なら、あのダックスのメンバーにまた会える！というだけでも嬉しいですが、今回は、ＵＳＡ代表チームの活躍を描いた作品なので、試合のシーンもスケールが大きくなり、前作以上に個性的なメンバーが揃い、笑わせてくれます。ヒット作の続編なので、ストーリー的には、前作ほどの面白さはありませんが、主人公のゴードンが、金銭的なエゴにはまってしまうというストーリーは、現代に生きる人間なら誰でも陥りそうなテーマで、商業的な要素を優先させるとロクな事は無いという事を教えてくれます。前作以上の作品にしようという意気込みからか、エンターテイメント性を意識しすぎて、やり過ぎのユーモアもありますが、それぞれ個性の強い子供たちの生き生きとした表情、笑顔だけでも元気になれる作品で、自信過剰で傲慢なアメリカ人を皮肉ったブラックジョークなどのスパイスも効いています。コーチのゴードンが、自分の経済的な利害を優先してしまうという流れは、安易と言えば安易ですが、経済的な安定を望むという願望から、いつの間にか大切なものを失ってしまうというストーリーは、誰にでも起こり得る事で、他人事では済まされないテーマも含まれています。１作目が最高だったので、１作目以上の傑作とは言えませんが、１作目が好きな方なら続編として十分に楽しめる娯楽作品だと思います。

意志あるところに道あり

　やりたくない事を無理にさせられるのは苦痛ですが、自分の好きな事、やりたい事をするなら、おのずと道が開かれるような気がします。人間の意志が向いている方向に、常に道が作られていくんでしょうね。

勝敗以上のものを、子供に教えられる

　勝負に勝ちたいという気持ちは分りますが、子供の頃から勝つことに執着しすぎてフェアプレーの精神を失くしてしまうと、勝利の為に平気で不正をしたり、汚い事をする大人になってしまいます。団体競技では、チームとしての一体感、助け合う気持ちが重要になりますし、負けることでしか学べない事もあります。子供たちには、選手としての技術的なコーチより、人間としての生き方を教えてくれる指導者のほうが必要なのかもしれません。

更に続編あり

　この作品の続編も製作されましたが、大ヒットにはならず、残念ながら国内盤ＤＶＤは発売されていません。一般的には評価が低い作品ですが、このシリーズが好きな方なら、絶対に楽しめる内容なので、こちらもオススメです。ビデオテープでもいい！という方なら、アマゾンなどで購入が可能です。

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