コーヒーショップで働くキャロラインは、なぜか恋愛には恵まれず、いつもふられてばかり。しかも、失恋で落ち込んでいるときに、二人組の男にレイプされそうになってしまう。しかし、同じ店で働いているアダム彼女を助け、家まで送ってくれた。アダムは、人付き合いが苦手で、ほとんど誰とも話さないが、密かにキャロラインに想いを寄せていた。アダムに助けられた事をきっかけに、キャロラインは、そんな彼の気持ちを知り、彼に心ひかれていくのだが・・・。

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　１９９３年アメリカ作品。監督は『レス・ザン・ゼロ』のトニー・ビル、主演は『トゥルー・ロマンス』『クライム&ダイアモンド』などのクリスチャン・スレーターと、『いとこのビニー』『N.Y.式ハッピーセラピー』などのマリサ・トメイ。恋愛運の無い女性と、生まれつき心臓に障害を持つ天涯孤独の青年の純愛を描いたラブストーリー。

　結構マイナーな作品だと思いますが、隠れた名作！イチオシの恋愛映画です。主人公の二人は、下町のレストランで働く労働者で、地元のディスコに行ったり、仲間とカードを楽しんだりする庶民的なキャラクターで、高級ブランドを着て派手な車に乗っているような現実離れした人間ではないのでリアリティがあります。キャロラインに想いを寄せるアダムはストーカーのような行動をしていますが、切ないほど純真なアダムのキャラクターが、ストーカー行為のいやらしさを全く感じさせないので、愛する人を見守りたいという感情が強調され、純粋な恋愛を痛感させてくれます。劇的で非現実的な恋愛を望む人には向かないと思いますが、現実的で身近に感じられる恋愛ストーリーは、忘れられない感動を与えてくれます。

アダムの心臓

　孤児だったアダムは、幼い頃、シスターに教えられた自分の心臓にまつわるおとぎ話を信じています。心臓の移植手術が必要なアダムですが、その物語を信じている為に、かたくなに手術を拒否します。アダムの純粋な人間性が感じられ、その純粋さに胸を打たれます。

誰とも通じない人間同士だから・・・

　外見や他人の風評などを気にせず、アダムと交際をはじめるキャロライン。アダムの純真さに惹かれたというだけではなく、二人だけに共通する感覚、この世の中で唯一心が通じる人間であることを互いに感じあっている純愛には、二人にしか分らない本物の愛情が感じられます。

生きていて良かった

　今まで何をやっても中途半端だったキャロラインが、つぶやきます。きっと、アダムも同じように『生きていて良かった』と感じているはずです。

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