トレバー・フィンチは刑務所に服役していたが、刑務所の仲間だったマイコーと脱獄に成功する。逃亡の為に、フィンチはマフィアに殺されたクレティス・タウトという男の名義でパスポートを偽造し、タウトに成りすますが、タウトがまだ生きていると勘違いしたマフィアのボスは、フィンチを殺そうと殺し屋を送り込む。そして、殺し屋たちの銃弾によりマイコーが命を失ってしまい・・・。

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　２０００年アメリカ作品。監督、脚本はクリス・バー・ヴェル、出演は『トゥルー･ロマンス』『忘れられない人』などのクリスチャン・スレーター、『陽のあたる教室』『張り込み』などのリチャード･ドレイファス、そして『リーマン･ジョー』『大富豪・大貧民』などの個性派ティム･アレン。クリス・バー・ヴェル監督の劇場デビュー作ですが、脚本、演出ともに極上の傑作で、ストーリー性の乏しい作品の多くなった最近のハリウッド映画の中では、久しぶりに面白ストーリーを楽しめる作品です。

　この作品の登場人物、殺し屋のジムは大の映画好きで、カラクリばかりで中身の無い最近の映画に文句タラタラです。昔の映画には、面白いストーリーがあった！と言って、昔の名作のセリフを引用していますが、この不満は、そのまま映画ファンの意見を代弁しているかのように聞こえます。ちょっと渋めのキャスティングの為、日本では、それほど話題になりませんでしたが、最近、面白い映画が無くなったと嘆いている往年の映画ファンにも絶対にオススメの傑作です。タイプは違いますが、『ニュー･シネマ・パラダイス』のように、心底映画を愛する人が作った作品であることが感じられますし、先の読めないストーリー展開、スリル、ユーモア、そして感動と、映画の魅力を全て詰め込んだような名作です。やたらにベタベタしないロマンスにも新鮮な感動を味わえます。隠れた名作の代表作なので、見逃している方は是非！！！

私はアメリカを汚しません

　コメディ系の映画を中心に活躍しているティム･アレンの殺し屋役も以外に迫力があります。特に駅で落書きをしているチンピラに銃をつきつけるシーンでは、なかなか凄みがありますし、笑えます。この作品に出演している役者は、派手さはないものの、どの役もピッタリとハマッていて魅力的ですが、ティム･アレンの役は特にアクセントになっていると思います。

 

『ティファニーで朝食を』『大脱走』などなど・・・

　殺し屋ジムが好きな映画のほとんどが５０年代の作品ですが、『ティファニーで朝食を』『大脱走』などの名作のシーンが映画の中に出てきます。また、セリフの中に、色々な作品のタイトルや有名なセリフが出てくるので、最近の映画はストーリーがつまらないと感じている方は、この映画の中で紹介されている作品を、名作ガイドとして活用してみてはいかがでしょうか？

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