■　ストーリー　■

　 デトロイトの本屋で働くクラレンスは、誕生日の夜に、映画館でアラバマという女と知り合い一夜をともにし幸せなひと時を過ごす。しかし、アラバマはコールガールで、ヒモのドレクセイというポン引きの下で働いていた。クラレンスは、アラバマの為にポン引きのドレクセイと話をつけようとするが、殺されそうになり、逆上してドレクセイと仲間を殺してしまう。そして、その場にあったスーツケースを持ち帰ると、その中には大量のコカインが入っていた・・・。

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　１９９３年アメリカ作品。監督は『マイ・ボディガード』『デジャヴ』のトニー・スコット、出演は『クライム・アンド・ダイアモンド』のクリスチャン・スレイター、『スティグマータ』のパトリシア･アークエット、その他にも『イージー・ライダー』のデニス・ホッパー、『ディア・ハンター』のクリストファー・ウォーケン、『レオン』のゲイリー・オールドマン、『ドアーズ』のヴァル・キルマーなど豪華スターが出演、さらにブラッド・ピットもチョイ役で出演しています。クエンティン・タランティーノが脚本を担当したバイオレンスアクションの名作です。

　一般的にはマイナーな作品ですが、カルト的な人気のあるバイオレンスアクションの名作です。何と言ってもキャストが豪華です。よくこれだけ悪そうな役者を集めたな、というだけでも感心してしまいます。刑事役で出演しているショーン・ペンの弟のクリス・ペンも悪人顔ですが、彼が善人に見えてしまうほどの悪人顔揃いです。その中でもクリストファー・ウォーケンとゲイリー・オールドマンは、ハマリ過ぎていて怖いですね。これだけの悪役が揃うと主演のクリスチャン・スレイターも小さく見えますが、映画の後半ではなかなかドスの効いた演技を見せてくれます。バイオレンス向けの最高のキャスティングと、クエンティン・タランティーノの意外性、遊び心のある脚本を、アクション映画に定評のあるトニー・スコット監督が迫力ある映像で仕上げた傑作です。善悪の判断もつかないほど無知で、無邪気な二人が、無邪気なゆえの純愛によってマフィアがらみの事件に巻き込まれていくというストーリーなので、『ロミオトジュリエット』や韓国映画の純愛物などが好きな方にはオススメできませんが、社会から見捨てられたような二人の純愛には、打算の無いピュアな愛情が感じられ、血まみれのシーンが多い割には、恋愛映画として楽しめます。また、主人公がアニメやカンフーの大ファンだったりして、クエンティン・タランティーノらしい脚本なので、クエンティン・タランティーノの映画好きな方なら、カルト的なバイオレンスアクションとしても楽しめると思います。

殺したなんて、ロマンティック

　壊れてますねぇ、ホントに。人を殺してきた恋人に向かって、こんなセリフが出てくるあたりが、もうマトモじゃないと分ります。フツーに考えれば、罪を犯した恐怖、警察に追われる恐怖などで泣き出しますが、人を殺してロマンティックという感性が、主人公の二人のフィーリングを象徴していると思います。こういうズレた感覚が、バイオレンスシーンにマッチして、独特な残虐性を浮かび上がらせています。

ロマンスも人生と同じ、大抵はミジメな結末

　映画の冒頭でのセリフですが、世の中、幸運に恵まれる人ばかりではありません。かなり多くの人が自分の理想とはかけ離れた生活をしています。この映画の主人公の二人のように、社会からはみ出したような人間ならなお更です。でも、何かのキッカケで人生やロマンスが劇的に好転することもある！この作品の主人公も、恋人との出会いによって人生が激変します。貧乏人やチンピラみたいな人間でも、何かキッカケさえあれば小さな幸せを手に入れることができるかもしれません。

 

　《　検索用　》

クリスチャン・スレイター
パトリシア･アークエット
クリストファー・ウォーケン
デニス・ホッパー
ヴァル・キルマー
ゲイリー・オールドマン
ブラッド・ピット

 

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