マイケル・シェンカーの才能が開花したハードロック・バンド
フィル・モグ(vo.)、ミック・ボルトン(g.)、ピート・ウェイ(b.)、アンディ・パーカー(ds.)の4人のメンバーで1970年にレコードデビュー。ギタリストのミック・ボルトンの脱退によりメンバーチェンジの後、1973年にマイケル・シェンカーがギタリストとして加入し、『ロック・ボトム』『ドクター・ドクター』などの名曲を収録したアルバム『現象』を1974年に発売。このアルバムからハードロック・バンドとしての人気が確立されていきます。その後、サイドギタリスト、キーボーディストなどをバンドに加えますが、新加入のメンバーがすぐに脱退してしまいバンドのメンバーは安定しませんでした。これは、リード・ギタリストであり、ソングライターであるマイケル・シェンカーの意見が反映しているようですが、1976年にキーボード、ギターの両方がプレイできるポール・レイモンドの加入によって、UFOは黄金期を迎えます。日本人好みの哀愁に満ちたマイケル・シャンカーのギターソロ、ロックのお手本のようなリフ、楽曲によってキーボードをうまく取り入れたアレンジ、メロディアスなヴォーカルライン、アメリカ的というよりは、情緒豊かなヨーロッパフィーリングのあるハードロック・バンドとして、イギリスや日本で人気のある音楽性でした。
ポール・レイモンドの加入後、『新たなる殺意』『宇宙征服』『UFOライブ』と秀作アルバムを次々に発表しますが、1978年にマイケル・シェンカーが脱退。後任のギタリストとしてポール・チャップマンを加え、活動を続けますが、ソングライターとしてもギタリストとしてもバンドの重要な存在だったマイケル・シェンカーの不在は大きく、徐々に人気が下降していきます。マイケル・シェンカーは、サイモン・フィリップ、モー・フォスターらとソロ・アルバムを製作。マイケル・シャンカー・グループとして日本やイギリスで絶大な人気を得ることになります。
その後、マイケル・シェンカーが復帰してのUFOは何度かアルバムを発表していますが、相変わらずマイケル・シェンカーは復帰、脱退を繰り返し、UFOはメンバーが固定できない状態のまま活動を続けています。まぁ、UFOというバンドは、マイケル・シェンカー次第なのかもしれません。
いじめっ子フィル・モッグ?
マイケル・シェンカーの脱退については、ドイツ人であるマイケルが英語が苦手で、フィル・モッグにいじめられて脱退したという説が有力ですが、フィル・モッグだけが悪いという評判には疑問が残ります。マイケル・シェンカーがUFOに参加した後、後に参加したギタリストやキーボーディストをクビにしたのは、マイケルだと言われていますし、マイケル・シェンカー・グループのメンバーも、マイケルのワンマン・バンドに嫌気がさしたメンバーが次々に脱退してしまったという経緯があるので、フィル・モッグだけを悪者扱いしては、可哀想な気もします。