孤高のドイツ人ギタリスト
1955年生まれ、ドイツ出身の天才ギタリストであるマイケル・シェンカー率いるヘヴィメタル・バンド。スコーピオンズ、UFOなどで活躍していたマイケル・シェンカーがリーダーとなってヴォーカリストのゲイリー・バーデンと共にスタート。デビューアルバムはゲイリー・バーデン以外はレコーディング用のサポートメンバーに依存していましたが、セカンド・アルバムでは、ジェフ・ベック・グループ、レインボーなどで活躍していたコージー・パウエルが正式にメンバーとして参加しセカンドアルバムを発表。サードアルバムでは、レインボーのヴォーカリストとして有名なグラハム・ボネットが加入し名盤『黙示録』を発表しますが、すぐにグラハム・ボネットが脱退し、その後もメンバーチェンジを繰り返しながら活動。1987年から約7年間は、元グランプリのヴォーカリストと共にマッコリー・シェンカー・グループと改名して活動を続け、近年、マイケル・シェンカー・グループとして復活し来日公演も行っています。
ドイツ出身ということもあってか、日本人好みの哀愁を感じさせるメロディアスな曲が多く、しかもギタリストとしてのリフメーカーとしての才能も豊かだった為、日本ではカリスマ性のあるギタリストとして人気がありました。しかし、リッチー・ブラックモアなどもそうですが、ソングライター、アレンジャーとしての才能にも恵まれていたため、ギター以外のベースやドラムなどの楽器のアレンジについても他のメンバーに命令することが多く、独裁者のように思われてメンバーが定着しませんでした。ヴォーカルのメロディラインが美しくポップな曲が多いので日本のロックファンには人気ありましたが、なんと言ってもギタリストから絶大な人気があり、ギターの面白さを教えてくれるギタリストとして、アマチュアギタリストからは、今でも人気があります。
マイケル・シェンカー
マイケル・シェンカーは、兄ルドルフと共にスコーピオンズでプロデビューしますが、コンサートで共演していてUFOのギタリストが突然行方不明になり、代役としてマイケルがUFOに参加した事がきっかけとなり、結局スコーピオンズを脱退しUFOの正式なメンバーとなり、UFOでギタリストとして、またソングライターとして重要な役割を果たすようになり、UFOの代表曲のほとんどをマイケルが作曲します。UFOはイギリスのヘヴィメタル・バンドでメンバーは全員英語ですが、ドイツ出身のマイケルは、英語が苦手だった為コミュニケーション不足からなのか、他のメンバーからイジメにあって脱退、この頃からドラッグに手を出しUFOを脱退した後は、ドラッグ中毒の治療に時間がかかったようです。その後、ゲイリー・バーデンという新人ヴォーカリストと共にMSG(マイケル・シェンカー・グループ)をスタートさせ、ヨーロッパや日本で絶大な人気を得るようになりますが、コージー・パウエル、グラハム・ボネットなど名実共にトップクラスのミュージシャンをバンドに加入させたにも関わらず、バンドメンバーが定着せずメンバーチェンジを繰り返しながらの活動になります。その後、マッコリー・シェンカー・グループとしての活動、UFOの再結成などに参加したりした後、マイケル・シェンカー・グループとしての活動を再開し、近年、初代ヴォーカリストのゲイリー・バーデンらと共に来日公演も成功させています。
高校生の頃に結構ハマッて聴いていました。私はドラムをやっていたので、当時コージー・パウエルが好きで、コージー・パウエル在籍時の来日公演にも行ってきました。コージー・パウエルが脱退してから徐々に興味を失ってしまいましたが、最近ギターを弾くことが多くなってから、また聴くようになりました。自分でギターを弾いてみるとマイケル・シェンカーのギターの魅力が良くわかる様になります。リフもソロフレーズも本当に弾いていて気持ちがいいですし、ギター以外のベースやドラムもプレイヤビリティが高いので、大人になってからも結構楽しめます。高校生の頃に聴いていたヘヴィメタルは、大人になってから聴くと、『あぁ、こんなダサイの聴いてたんだぁ、子供だったんだなぁ』と恥ずかしくなる事が多いんですが、マイケル・シェンカー・グループの初期の3枚は、今聴いても楽しめるので、ダサいヘヴィメタが流行っていた80年代の中でも質の高い音楽だったんだなぁと感じます。