ある日、宇宙から地球探査のためにＵＦＯがやってくるが、宇宙人の一人が地球に取り残されてしまう。その宇宙人は、１０歳の少年エリオットら兄妹と知り合いになり、エリオットの家にかくまってもらう事になるが、宇宙船が飛来した事を突き止めたＮＡＳＡが、宇宙人の行方を追っていた・・・。

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　 １９８２年アメリカ作品。監督は『カラー･パープル』『ターミナル』などのスティーブン･スピルバーグ、出演は、 『レジェンド･オブ･フォール・果てしなき想い』ヘンリー･トーマス、『ウエディング･シンガー』のドリュー･バリモアなど。地球に取り残されてしまった宇宙人と少年の友情を描いたファンタジー作品。

　スピルバーグ監督と言えば、やはりこの作品でしょう。ＳＦ映画の金字塔として今でも人気のある傑作で、友好的な宇宙人と、無邪気な人間の子供の友情を描いた感動作です。心温まる感動作ですが、主人公のエリオットの両親の不仲によって、子供たちが傷ついている様子には、離婚率が上がり、その犠牲になって苦悩する子供たちが増えているという世の中の現状が象徴されているような気もしますし、情け容赦なく宇宙人の捜索をするＮＡＳＡのスタッフには、義務感から非情な行動に出る人間の姿も描かれていて、単なる子供向け作品というよりも、大人から子供まで楽しめるＳＦ作品になってます。そして、侵略、攻撃をしかけてくる宇宙人ではなく、友好的な宇宙人を強烈に印象付けたという意味でも、後の映画に大きな影響を与えています。１９８０年代初頭の作品なので、特撮映像に関しては、さすがに古さを感じさせますが、子供の純真さから、宇宙人との友情が生まれる物語は、時代を超えて愛される名作として絶対的な価値を持っていると思います。

　公開当初、世界的な大ヒットになった本作は、同時代の他の映画と違って、なかなかビデオ化されませんでした。商業的な戦略だと思いますが、ビデオ化が遅れた為、ビデオ発売時にはビデオレンタル店で借りるのも困難な状況が続き、待ちくたびれて観る気がしなくなり、しばらくの間、鑑賞する機会がありませんでした。観てみると、やっぱり素晴らしい作品で、ＤＶＤもすぐに購入しましたが、ビデオ発売の際の汚い商業戦略だけは、いまだに納得がいきません。こんな事をしているから、この監督は、なかなかアカデミー賞を受賞できなかったのかもしれませんね。

僕の友達だ、裏切れない

　科学者が、エリオットからＥ．Ｔ．の情報を聞きだそうとしますが、エリオットは拒みます。純真な子供だからこそとも考えられますが、平気で人を裏切る人間が増えている現代社会では、こんな当たり前のセリフにも感動させられます。

 

空を飛んでる！

　Ｅ．Ｔ．を守ろうとする子供たちですが、自転車での逃走には限界があり、警察やＮＡＳＡのスタッフに追い詰められてしまいます。もうダメだ！と思った次の瞬間・・・。映画史に残る感動の名シーンです。

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