無名俳優のジョニーは、妻サラとクリスティ、アリエルという二人の娘と共に、アイルランドからニューヨークにやってきた。ジャンキーが多く住んでいるハーレムのボロアパートで新しい生活を始めたジョニーたちは、なれない気候にや習慣に戸惑いながらも楽しい生活をしていたが、ジョニーとサラは、幼くして死んだ息子フランキーを忘れられずに苦しんでいた。ハロウィーンの夜、クリスティとアリエルは、同じアパートにの住人で叫ぶ男と呼ばれているマテオと親しくなるのだが・・・。

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　２００３年イギリス･アイルランド合作。監督はジム･シェリダン、出演は、 『ギター弾きの恋』のサマンサ･モートン、『ブライアン･ジョーンズ・ストーンズから消えた男』のバディ･コンシダイン、『ブラッド･ダイアモンド』のジャイモン・ハンスゥなど。息子を亡くして苦悩する家族と、余命わずかな芸術家の交流を描いたファンタジー作品。

　一般的には、あまり有名な作品ではありませんし、地味な作品ですが、アイルランドからアメリカにやって来た家族の愛情、余命わずかな芸術家との交流と奇跡を描いた秀作です。主人公のジョニーとサラの夫婦は、幼い息子を亡くし苦悩する姿がメインテーマとして描かれているので、親しい友人や家族を失った経験のある方にとっては、共感できる要素が多いと思いますし、不治の病によって苦しむマテオという芸術家の姿は、生の尊さを教えてくれます。監督のジム･シェリダンの自伝的な作品のようですが、この作品のテーマに対する思い入れの強さが実感できる作品で、隠れた名作と呼ぶにふさわしい作品だと思います。愛する人を亡くして立ち直れない方や、生きる気力をなくしている方には、特効薬となるメッセージを与えてくれる作品だと思います。アイルランドからの移民の家族の生活を描いた作品なので、どちらかと言うと地味で、特撮による派手なファンタジーではありませんが、身近に感じられる生命の神秘、奇跡を描いているので、もしかしたら、自分にもこんな奇跡が起こるかもしれない？と感じさせてくれます。愛する人との死別を経験した方には絶対にオススメの名作です。

すべてを愛している・・・

　不治の病の為、余命わずかなマテオは、生きとし生けるものすべてを愛していると叫びます。残りの人生が少ないと、この世の全てが美しく愛おしく感じられるのかもしれませんね。

 

さよならを言って

　娘のクリスティが、死んだフランキーを忘れられず、いつまでも苦しんでいる父親のジョニーに気持ちを整理するように促します。愛する人の死は本当につらいですが、いつまでも悲しみに浸っていると、周囲の人間まで苦しめてしまいます。

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