１９３０年代のシカゴ、目立ちたがり屋のギタリスト、エメット・レイは、才能に恵まれ多くのファンを持っていたが、売春のの元締めとしても有名で、派手に女遊びもしていた。ある日、友人とナンパに出かけ、浜辺で知り合った口のきけない娘ハッティと出会ってからは、彼女と同棲生活をはじめ夫婦のように暮らしていたが、エメットはブランチという美女に惚れてしまい、ハッティと別れる決心をするのだが・・・。

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　１９９９年アメリカ作品。監督は『スターダスト･メモリー』『アニー･ホール』などのウディ・アレン、主演は、『シン･レッド･ライン』『オール･ザ･キングスメン』などのショーン･ペン、『パルプ･フィクション』『キル･ビル』シリーズのユマ･サーマン、『イン･アメリカ・三つの小さな願いごと』のサマンサ･モートン。ジャズギタリスト、エメット･レイのギタリストとしての活躍と恋愛をコメディタッチで描いた作品。ジャズファンとして知られるウディ･アレンらしいジャズフィーリング溢れる作品になっています。

　ジャズギタリストの恋愛を、コメディタッチで描いた秀作ですが、キャスティングが最高です。ギターを弾かせれば最高のミュージシャンでありながら、カッコばかりつけている軽薄で女好きのエメットをショーン･ペンが好演しているので、彼のドタバタぶりには、かなり笑えますし、色気タップリのユマ･サーマンや、少女のようなあどけない可愛らしさのあるサマンサ･モートンも魅力的です。コメディタッチの映画でありながら、観終わった後に、切ない感動を残してくれます。そして、ジャズギターの美しいメロディの数々が、独特の雰囲気を演出しています。あまりジャズを聴いたことの無い方でも、この作品の音楽には感動できると思います。

ハティの心を動かすメロディ

　エメットにナンパされて付き合うようになハティも、彼のギターのフレーズを聴いて心が震えます。感動したハティの表情も最高ですが、あまりにも美しいメロディなので、ハティのように感動した方も多いと思います。私は、ロックファンなので、あまりジャズは聴きませんが、この映画の音楽は本当に感動しました。

失敗した

　口がきけず、読みにくい文字しか書けないハティですが、誰よりもエメットを理解し、彼を愛していました。そんなハティを裏切り、美人でスタイルのいい女性と結婚したエメットの選択は、正しかったのかどうか？エメット自身が痛感するシーンが印象に残ります。芸能人、有名人でも、下積み時代に支えてくれた恋人や、妻を、有名になってから裏切る人もいるみたいですが、無名な時代に支えてくれる人こそが、本当に愛してくれる人なのかもしれません。そんな事を考えさせられる場面です。

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